人類最大の謎?雨対策のテクノロジーは、なぜ平安時代から傘で止まったままなのか?
映画やドラマの悲しいシーンでは、よく雨が降っていますね。それだけ雨は、多くの人々を憂鬱にさせるものとして世界中で認識されてきました。こうした気分をもたらす理由のひとつに、雨対策の煩わしさがあげられます。
普通、雨に濡れるのを防ぐ対策といえば、傘をさすか雨合羽を着る以外にはまずありません。傘をさせば片手が不自由になり、雨合羽は着脱が面倒と言われます。雨対策の面倒さは、そのまま私たちの雨嫌いにつながっているようです。
少し前に、空気の壁で雨に濡れるのを防ぐ「エアアンブレラ」というものが話題になりましたが、こちらはいまだ商品化には至っておらず、現在大半の人は傘をさすことを選んでいます。そのため、雨の日の外出となると先ほどの理由から私たちは外出をためらいがちになります。
そんな雨傘の歴史は、日本では平安時代にまで遡ります。この時代、日本人は日傘からヒントを得て、雨傘を開発・導入するに至ったそうです。しかしこれ、落ち着いてみれば恐ろしいことです。私たちの雨対策は平安時代からずっと変わっていないのです!
■国民の44.2%が雨対策の進化のなさを感じている!
しらべぇ編集部によるアンケート調査によると、「雨をよける方法・製品は、人類の歴史の中で全く進化していないと思う」と回答した人の割合は44.2%にのぼります。やはり、半分近くの国民が雨対策技術の進化のなさを感じているようです。
ただもちろん、私たちがこれまで他の雨対策を試してこなかったわけではありません。手で持つ必要のない傘の発明や、前述したエアアンブレラもその試みのひとつです。しかしながら、そのどれもが雨の日の風景を一変するほどの力を持ち得ていないのです。
一体、これはなぜでしょうか?
関連記事:禁断の「傘パクリ」率調査を実施!50代女性は、同世代の男性に怒ってください!
■「雨に濡れること」と「雨対策のわずらわしさ」の絶妙なバランスが原因か
みなさんの雨対策について話を伺ったところ、その理由が明らかになってきました。その一部の声をご紹介しましょう。
「毎日雨が降っているならまだしも、雨はたまに降るものなので安い傘で済ませてしまう。スゴい技術の雨対策グッズが発明されても、たぶん高いだろうからしばらくは買わない」(30代・男性)
「雨がホントにムカつくのはゲリラ豪雨くらい。雨合羽を着る気はないし、たぶんこれからも折り畳み傘を持ち続けると思います」(30代・女性)
「車移動がメインなので、濡れるのは一瞬。歩いてるときも全く濡れないに越したことはないけど、結局我慢してしまう」(20代・女性)
そう、人類における雨対策の進化のなさの理由は、私たちの「雨に濡れる煩わしさ」と「雨を避けるための煩わしさ」のバランスが絶妙にとれているからかもしれません。仮に、こうした均衡状態が平安時代から続いていたとすると、今後もその状況が変わることはなさそうです。
新技術の開発が進んでも必ずしも皆がそれを使うわけではないことは、社会学におけるイノベーター理論で説明されてきました。だとすればこの傘問題、思った以上になかなか根深いですよね。
とはいえ今後、複数の大企業が資本投下して国家レベルのプロジェクトとして雨対策に乗り出すとすれば、その状況は変わるかもしれません。iPhoneなどのイノベーティブな製品が溢れる現代社会で、いま最も求められているイノベーションのひとつは、実は雨対策なのではないでしょうか?
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年8月15日(金)~8月19日(火)
対象:全国20代~60代 男女ユーザー計1500名
(文/しらべぇ編集部)