チェーンメッセージの歴史に見る、「伝達速度」の革新的発達と「伝達力」の低下

社会

2014/09/23 18:00

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過日、アイスバケツチャレンジが世間で一気に話題となり、賛否を呼んでいました。近頃は落ち着いてきたようですが、現代の拡散力というものを改めて感じた人も少なくないのではと思います。

「指定された3人は24時間以内に実行するか、もしくは…」というルールを見て、筆者はなぜか懐かしい気持ちになりました。そう、中学生のときに流行ったチェーンメールに似ていると思ったからです。ハリウッドスターから始まり、2、3日後には日本の一般学生にまで広がっていったアイスバケツチャレンジ。チェーンメールを思わせるルールだとしても、「伝える」ということの速度に大きな差を感じました

そこで今回は、チェーンメッセージの歴史を調べ、「伝える」方法の進化を見てみようと思います。


 

●「不幸の手紙」

伝達手段が手紙だった頃に流行ったチェーンメッセージの代表といえば「不幸の手紙」ですよね。ずらずらと長文が書かれている最後に、「この手紙を同じ文章で8人に送ってください。そうしないとあなたは不幸になります」といった文面が…。

手紙の内容を信じ、疲れて動かなくなってくる手を酷使して手紙を書き続けた人も少なくないのではないでしょうか。手紙をまわして誰かに伝えるには、最低でも2、3日はかかりそうです。作業自体も、少々気合いと根気がいるかもしれません。

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●「チェーンメール」

携帯電話が流通し、多くの人がメールを使うようになった頃に流行ったのが「チェーンメール」です。「ある番組の企画でこのメールが北海道からどこまでまわるのか、実験中です!」といったエンタメ系のものや、「まわさないと事件の犯人とみなし、殺しにいきます」といった恐怖心を煽るものもありました。

その作業は、メールを転送するだけなので「不幸の手紙」よりも各段に楽になったと思われます。手間といえば、宛先にアドレスを選んで追加していくことくらいでしょうか。伝わる速度は、3、4日で学年全体にまわっている程度であったと思います。

●「LINEチェーンメッセージ」

LINEでのチェーンメッセージは、主にタイムラインに投稿されることが多いそうです。もしくは、グループに対して投稿される場合もあるとか。送り手は、1か所に投稿するだけで不特定多数の人に伝えることができます。しかし、受け手はチェーンメッセージを目にしても自分だけに宛てられたメッセージではないと認識するため、拡散しようとはなかなか思わないよう…。伝える速度は速くなりましたが、伝わる力は弱くなってしまったようです。

このように、チェーンメッセージの歴史をたどると、「伝える」という手段は非常に手軽になったということが改めてわかりました。

その一方で、「伝わる力」自体は弱まってきているように感じます。今後、人に何かを伝えたい時には、アイスバケツチャレンジのような可視化された分かりやすいインパクトがなければ、大事なことだとしても“既読スルー”されることが増えてしまうのかもしれません。

将来的に、さらに伝わる力が弱くなっていった場合、多くの人が参加するLINEのグループメッセージなどでも「思わず共感!? 今日、私が飲み会に遅刻する3つの理由」といったようなタイトルを付けて目を惹かなくては、正確に情報が伝わらなくなるのかも…と想像してしまいました。

(文/しらべぇ編集部・八木彩香