見た目はタンバリンなのにドラムに匹敵する音を奏でるパンデイロを知っていますか?
ドタッタドンチャ!いま筆者の脳内では陽気なリズムが鳴り響いていますが、読者の皆様におかれましてはまったく伝わらないことと存じます。すみません。ドドドン。なぜ陽気なリズムが鳴り響いているかというと、「パンデイロ」という楽器の影響です。皆さんはこの「パンデイロ」をご存知ですか?
パンデイロは、タンバリンのような見た目にも関わらず、ドラムセットに匹敵する迫力ある音を奏でる楽器。実際に、ドラムの変わりにパンデイロを入れているグループもあるそうです。今回は、その見た目とのギャップが衝撃的なパンデイロのことをもっと詳しく知りたいと思い、取材をしてきました!
<インタビューに答えてくれた人>
パンデイロ奏者/パーカッショニストRINDA☆さん。最近では東京スカパラダイスオーケストラのニューアルバムにもパンデイロで参加するなど、様々なアーティストのライブ、レコーディングで活動中。
しらべぇ編集部(以下、編集部):
パンデイロって見た目はタンバリンと同じように見えますが、違いはなんでしょうか。
RINDA☆さん:
ヘッド(皮)の部分の張り具合をチューニングして、音を高くしたり低くしたりできるところが特徴です。これで「ドン!」という豊かな低音がでます。あとは、ジングル(鈴)の部分がドラムセットのハイハットと同じでお皿を伏せた向きで、タンバリンと逆なんです。しかもこのジングルが3枚重なってるものが多く、4枚のものもあり、音色もシャープです。
編集部:
パーカッション自体、始めるのにちょっと敷居が高い気もするのですが、パンデイロはどうでしょうか。楽器って高いものが多いですし。
RINDA☆さん:
叩けば誰でも一応、音は鳴るんですが、やはり正しく演奏できるようになるには地道な練習が必要ですね。金額的には一万円位から三万円位で購入できます。最近では普通の楽器店でも見かけることがありますし、インターネット通販などでも買えるので入手はそれほど難しくありませんよ。
編集部:
そうなんですね。ところで曲の中でのパンデイロは、どんな役割を担っているのですか?
RINDA☆さん:
ドラムがいない編成の時は、ドラムに成り代わって叩くことが多いです。ドラムや他のリズム楽器がいる時は、共にリズムに広がりを持たせる役割になるようにしています。
編集部:
RINDA☆さんから見てそんなパンデイロの魅力は、なんでしょう?
RINDA☆さん:
見た目よりも音にかなり迫力があることですね!ブラジル音楽の楽器ではあるのですが、沢山のリズムパターンを習得できれば、それに応じていろいろな音楽ジャンルや編成にも対応できるのも魅力です。その他には、バンドでは「脇役だけど目立つ」ポジションであるとか・・・あと、小さい楽器なので、持ち運びが楽なのも魅力です。
編集部:
なるほど。では、どんな人におすすめでしょうか?
RINDA☆さん:
リズムが好きな人、たとえば、音楽を聴いていて無意識にリズムを身体で刻んでしまうような人にはいいかもしれません。老若男女問わずに楽しめる楽器だと思います。
編集部:
不躾にすみません。最後にちょびっと叩いてください!
・・・すげー。カッコいい!
というわけで、動画を見て無意識に体が動いちゃったり、このリズムが頭の中で早くもループしだした読者の方、パンデイロが向いているかもしれませんよ。
(文/しらべぇ編集部・伊東宏之)