【松澤千晶のアニメめくるめく世界】アーカイブスで蘇る、孤高の名作ゼノギアス
こんにちは、フリーアナウンサーの松澤千晶です。私はアニメを見ることが大好きなのですが(もう、このくだりそろそろいらないかなとは思いつつ…)アニメや漫画と同じ部類としてよく語られるのが「ゲーム」だと思います。
最近ではスマートフォンや携帯ゲーム機で気軽にプレイできるものもたくさんありますが、私は古いタイプの人間なのか、今でもテレビ画面と向き合う据置型ゲーム機がいちばん落ち着きます。
アニメファン的な目線だと、やはり“RPG”=ロール・プレイング・ゲームが大好きです。自ら物語を進め、道を切り開いてゆく…実生活にはない冒険を体感できる“RPG”のシステムを考えた方は実に偉大ですね。
夢中になってしまうと、「ゲームばかりして!」なんてご両親に叱られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにやりすぎは良くないのですが、“RPG”からは、「自ら考えて行動し、仲間を作り、力をつけて、目の前の難題を解決する」といった根本的な学びがあったようにも思えます。
私はゲームにそれほど詳しいわけではありませんが、定番のファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、テイルズオブ~のシリーズ等、メジャーなものは一通り嗜み、人並みにゲームを楽しんできました。
そして、その中でも特に好きだったのが「ゼノギアス」なのです。
画像をもっと見る■ゼノギアスとは
私くらいの世代(筆者は1985年生まれ)ですと、まずゲームに関心があれば、FF7は間違いなく通っている作品だと思います。世界的大ヒットを記録したゲームで今でも根強い人気があるものですから、同世代でしたら「英雄と言えばセフィロスだよね」なんて会話で盛り上がること間違いないでしょう。
FF7については長くなりそうなのでこのあたりにして…本題のゼノギアスは、その1年後に同じく当時のスクウェアから出たロボットRPGで、今でも名作、もしくは迷作として語り継がれているものです。
この作品、自分の中ではとても大きな存在だったのですが、意外とそうでもなかったりするようで…その不思議な点と共に、簡単に魅力をお伝えしたいと思います。
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■ファイナルファンタジーではない何か。
まず、冒頭からアニメーション映像でボイスつき、セーブする毎にサブタイトルがついています。この全体的に漂うヲタクっぽさで、もしかしたら好き嫌いがわかれてしまうかもしれません…が、SFであり、哲学的であり、神話的であり、そしてロボット戦もある…様々な要素がてんこ盛りで、進めてゆくといろいろな要素が絡み合い、興味がどんどん増してくる作品なのです。
FF7と似て非なるもの、と言った感じでしょうか。元々、FF7を作るにあたって考えていたストーリーのうちのひとつを含んでいるようで、裏FF7なんて言われていたりもしたそうです。
余談ですが、FF7において主人公クラウドが魔晄中毒になってしまった時には「百億の 鏡のかけら 小さな灯火 とらわれた 天使の歌声 ゼノギアス…」と呟くシーンがあり、しっかり宣伝してくれています。
私達の大好物な中二病の香りも漂いつつ、緻密な設定と奥深いシナリオ、そして何と言っても、クロノ・トリガーでおなじみ光田康典さんの音楽が作品全体を彩っていて、とても素敵な作品なのです。
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■何故かベッドシーンもある。
驚きなのが、ストーリーの中で夜の営みをするシーンがあり、それをドット絵ながらきちんと描いていたところ。当時は「これは一体…」と思いましたが、今見ると何だか人間臭さを感じて、妙に良いですね。
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■不完全?未完成?
そして後半のDisk2に入ると、ゲームとして攻略することはあまりなく、ひたすらお話だけが進んでゆく流れになります。もはや時間がなくてナレーションでまとめられてしまうような…どうやら大人の事情でそのような作りになってしまったようです。うーん、勿体ない。
あの壮大なストーリーは一応きちんとまとまっているので良いのですが、後半は勝手に進んでゆくという謎の展開で、果たして名作なのか、迷作なのかよくわからなくなってしまいました。これには当時、賛否両論だったようで、確かに私もストーリーとしては大好きなのですが、ゲームとしては果たしてどうなのか、わかりません…笑。
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■迷った先に名作になりますように…
しかしながら、心に残る作品は決して完璧ではないものも多いような気がします。ゲームとして仮に疑問を感じても、そこから何かを感じ取って、自分の身になれば、それが、ゲームをクリアしたということになるのではないかと個人的に感じました。
ゼノギアス、良いですよ。懐かしくなった方、興味を持った方は是非お試しください。
(文/フリーアナウンサー・松澤千晶)