下町のダルビッシュ、浪速のダルビッシュ…ご当地ダルビッシュはなぜ量産されるのか?
現在、米大リーグのテキサス・レンジャーズに所属するダルビッシュ有投手が、宮城・東北高校在籍時に夏の甲子園準優勝を果たしたのは2003年のことです。以来、「背が高くて」「エース投手」という、2つの条件を満たした高校野球の注目選手にはその地域の名を冠した「○○のダルビッシュ」というニックネームがつけられるようになりました。
有名どころでは現在日本ハムファイターズで活躍する大谷翔平選手(当時・花巻東高校)が「みちのくのダルビッシュ」、阪神タイガースで活躍する藤浪晋太郎選手(当時・大阪桐蔭高校)が「浪速のダルビッシュ」と呼ばれていましたよね。他にも「下町のダルビッシュ」や「古都のダルビッシュ」、「離島のダルビッシュ」など例を挙げれば枚挙に暇がありません。
こうした乱立する「ご当地ダルビッシュ」に対して批判的な立場をとる野球ファンも少なくありません。本家ダルビッシュ選手とのプレイスタイルの差異が捨象され、身長とポジションのみで選手個々にニックネームを付けることは、ダルビッシュ選手本人に対しても、球児たちに対しても失礼ではないかというのです。
今回は、そんなご当地ダルビッシュについてこんな調査をしてみました。
【質問】
「下町のダルビッシュ」などの言い回しは、選手本人にとっても引き合いに出されたダルビッシュ選手にとっても失礼だと思いますか?
・失礼だと思う:39.1%
・失礼だと思わない:60.9%
決して少なくない人がご当地ダルビッシュのニックネームに懸念を示す結果となりました。この結果を受けて、筆者の知人のスポーツライターは「○○のダルビッシュ」というニックネームは、選手の成績やプレイスタイル以上に言葉のインパクトによってより選手に注目が集まりやすいと語ってくれました。また「ダルビッシュ」と口にしたときの心地よさがそのような呼び方を誘引してしまうのだ、という意見もあります。
どうやら、ご当地ダルビッシュ乱立の背景は想像以上に根深いようです。来年の甲子園においても、再びご当地ダルビッシュが登場することは否定できません。この状態が続けば、20XX年には47都道府県にとどまらず全国1741市町村にご当地ダルビッシュが登場しているかもしれませんね。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年9月19日(金)~9月22日(月)
対象:全国20代~60代 男女1369名
※画像は、ダルビッシュ有オフィシャルブログのスクリーンショットです
(文/しらべぇ編集部)