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【法律コラム】海外サーバならOK?ネット上のエロにおける法律の境界線とは?

コラム

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肌寒くなり、ひと肌が恋しくなってきた弁護士の佐藤大和です。

さて、先日、人気動画サイトFC2における「わいせつな動画」の配信をめぐり、強制捜査が行われたというニュースがありましたね。ついにエロの世界に捜査のメスが入ってしまい、残念に思う世の男性もいるかもしれません(笑)。今回は、そんな混沌としているエロの世界を法律の観点から眺めてみたいと思います。

サーバが海外であればセーフ(合法)なのか?

これはよく聞く話ですよね。まずは、エロ動画、特に無修正の動画をネットで公開することは犯罪になるのか?から考えていきましょう。

法律上、わいせつな映像等を、不特定または多くの人が認識できる状態にした場合には、わいせつ物陳列罪という犯罪になります。日本国内で無修正の映像等をネットにアップした場合は、これに該当します。

でも、日本人が海外のサーバにアップした場合はどうでしょうか?刑罰を規定している刑法という法律は、例外がありますが、原則として、日本国内において罪を犯した場合に適用されます。先ほどの「わいせつ物陳列罪」も日本国内における場合にのみ適用されます。そのため、たとえ海外のサーバであっても、日本国内から無修正などのエロ動画をアップした場合には、「日本国内での行為」であるといえるため、わいせつ物陳列罪になる可能性があります。なお、あくまでも「日本国内」の犯罪なので、海外においてアップした場合には、適用が難しくなるといえますね。

性行為のライブ配信は?

先日、「帽子君」と呼ばれている方が、性行為の映像を生中継して、逮捕されたとのニュースがありましたね。法律上、公然とわいせつな行為をした場合には、公然わいせつ罪になります。そのため、不特定もしくは多数の人が見ることができるネットで性行為を「生」中継した場合には、公然わいせつ罪となる可能性が高いでしょうね。実際に、不特定多数の人に対して、性行為を生中継したことが問題となり、逮捕されたようです。

なお、録画した性行為を無修正でネットにアップした場合には、わいせつ物陳列罪になるでしょう。

P2Pなどのファイル交換ソフトならば問題ないのか?

ファイル交換ソフトとは、インターネット経由で、自分のパソコンのなかにあるファイルを他の人が自由に受信できたり、他の人のパソコンにあるファイルを自分のパソコンに受信したりできるようにすることをいいますね。そのため、たとえ自分のパソコン内であっても、無修正等のエロ動画を不特定もしくは多数の人に対して閲覧できるようにすれば、わいせつ物陳列罪等の犯罪になってしまう可能性があり、実際に逮捕されてしまった方もいます。

そもそも「わいせつ」って恣意的な判断じゃないの?

法律上、「わいせつ」とは、「性欲を強く刺激しその他露骨な表現によって一般社会人の性的羞恥心を害し、社会の性的風俗ないし性秩序に反するもの」としています。う~ん、難しいですね(苦笑)。

この議論は奥が深いのでこのコラムでは省略しますが、原則として「無修正動画」は、「わいせつ物陳列罪」の「わいせつ」に該当するといえます。また、公然わいせつ罪の「わいせつ」とは、通常は、下半身の露出をしたり、性行為をしたりすることを指します。

視聴したりダウンロードしたりしたユーザーが違法になる危険性は?

現在の法律では、視聴行為自体は、犯罪になりません(または犯罪になる可能性は著しく低いです)。これが違法だったら、世の男性の大半が該当してしまうのではないでしょうか。

でも、自分のパソコンに映像等を保存するダウンロード行為には要注意です。販売または有料配信されている音楽や映像を、違法配信されたものであると知りながら、ダウンロードをする行為は、「違法ダウンロード」として、著作権法違反になり、刑罰の対象となる可能性があります。

また、無修正等のわいせつな動画を販売目的で所持した場合にも犯罪になるため、販売するためにダウンロードをしてパソコンに保存した場合には犯罪になる可能性があります。

その他の犯罪は?

その他にも、アップした映像に18歳未満が写っていた場合には、性器の露出がない“ただの裸”だったとしても児童ポルノとして犯罪となります。また、リベンジポルノとしてアップした場合には、ストーカー規制法違反名誉棄損罪等の犯罪になる可能性もあります。さらには、他人の動画(写真)をアップした場合には、著作権法違反にもなる可能性があります。他にも関連して犯罪が成立する可能性もあり、もうあげたらキリがないですね。

 

ということで、実はエロの世界は犯罪(の可能性がある)のオンパレード。法律の範囲内で、男性からも女性からも愛される健全なエロを目指していきたいですね。

・合わせて読みたい→【法律コラム】アイドルのおっかけ行為は犯罪?ファンとストーカーの境界線

(文/弁護士・佐藤大和

画像引用元:Flickr

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