【千円札が不足しています】張り紙は店の努力不足?仕事ができる人ほど気になる傾向

2014/10/29 15:00


しらべぇ1029張り紙

個人経営の飲食店でランチを食べ終え、会計を済ませようとしたその時。レジの前に手書きの張り紙を発見しました。

<千円札が不足しております。ご協力くださいませ>

「そうか、ならば1万円札の使用は控えて小銭で支払おうかな」と、お店に協力して会計を済ませたことのある方も少なくないでしょう。

その一方、このようなお店側のお願いは、客とお店の関係をどこかで履き違えているのではないか、と疑問に思っている人がいることをご存知でしょうか。以下のアンケート結果をご覧下さい。

【質問】
あなたは、レジ前に書かれている「千円札が不足しています」などのコメントは、店側の努力不足を客に押し付ける行為だと思いますか?

1129-1

・押し付ける行為だと思う:29.1%
・押し付ける行為だとは思わない:70.9%

3割弱の人は、お店がお客さんに支払い方法を制限することに不快感を抱いているようです。こうした意見に対し、「お店のお願いを受け入れられないなら、最初からそのお店に行くな」という、ネット上でしばしば見られる「イヤなら見るな(来るな)」という言説で回答者を真っ先に批判することは可能でしょう。

本記事ではそのような批判点は留保した上で、この調査をさらに2つの軸で再検討してみることにしました。自分のことを「仕事ができるほうだ」「出世しているほうだ」と答える人は、今回の質問にどのような回答を出すのかについて調べてみたのです。

結果がこちらです。

レジ前に書かれている「千円札が不足しています」などのコメントは、店側の努力不足を客に押し付ける行為だ、と思う人の割合

1129-2

仕事ができるほうだ:41.1%
・仕事ができるほうではない:23.7%

1129-3

出世しているほうだ:59.6%
・出生しているほうではない:24.9%

興味深い結果を得ることができました。自らのことを「仕事ができる」「出世している」と思う人は全体よりも10~20%高い割合でお店側の態度を努力不足、と見なしていたのです。仕事ができる人にとって、お客さんに譲歩をお願いするようなお店の態度は許せないということでしょうか。

ちなみに、筆者がよく利用する定食屋では「千円札が不足しております」と書かれた張り紙が5年以上レジ前に貼られ続けています。先日、営業マンの友人とそのお店で食事をした際、彼は「この張り紙は年季が入っている。つまり、長年千円札不足への対策を打たなかった証拠である。今も張られているということは、今後もなんら改善するつもりがないと開き直っているようなものである」と厳しい口調で語ってくれました。

定食屋と営業マンではサービスに対する意識が違うということでしょうか。とはいえ、「意識の違い」という曖昧な言葉で説明できるほど話は単純ではないでしょう。こうした齟齬は「お客さんはお店にどこまで寛容であるべきか」という古くて新しい問題を再浮上させているのかもしれません。

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2014年10月17日(金)~10月21日(火)
対象:全国20代~60代 男女計1500名

(文/しらべぇ編集部

飲食店張り紙
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