最高額は驚きの値段! 笑顔が素敵な「路上の詩人」に仕事のことを聞いてみた

2014/11/11 08:00

人でにぎわう吉祥寺の街中の路上に、夜になるとオープンする小さなお店。手作りの看板には、「あなたの顔をみてイメージで言葉を書きます」と味のある達筆で記してある。

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お客さんを見て感じた言葉を、色紙やハガキに書いて作り上げたモノを売っているのは、宮城県出身の「笑路(わらじ)」さんという男性。筆者が話しかけると、優しく包み込むような笑顔を見せてくれた。

7年前からこの物売りをはじめ、旅人として日本をまわっていたという。移動手段は電車、バス、そしてヒッチハイクと、その時々の気分で決めていたそう。「ヒッチハイクは、乗せてくれる人が見つからずに苦労したこともありましたが、多くの人の優しさに触れられた。危険な目には特に合いませんでした」と、にこやかに話していた。

日本をまわって最も印象に残った場所は、沖縄だとか。沖縄の人は、気さくを飛び越えて家族のように接してくれる人が多く、その場で泡盛をごちそうしてくれ、飲み会が始まるようなことも珍しくなかったとのこと。

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この、「色紙に言葉を書く」というスタイルを始めたきっかけは、“ノリ”だそう。たまたま知り合いがやっていたので、見様見真似で技術を身につけたとか。並んでいる作品を見ると、とてもノリとは思えないようなクオリティの高いものばかり。

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「コツはなんですか?」と質問すると、「その人を最初に見た瞬間にどんな風に書くか決めます。感覚というか…直感を大切にしています。たまに歩いている人からイメージをもらって書くこともあるので、オーラみたいなものですかね(笑)」と、才能を感じるような回答をしてくれた。

実際の売れ行き具合を伺ってみると、1日平均で5000円~6000円、人数にすると12~13人程度。値段はお客さんによってバラバラなので、1枚あたりの平均は何とも言えないが、今までの最高額は3万円だとか。

値段をあえてお客さんに委ねる理由は「もちろん自分はベストのものを仕上げているが、お客さんにとってはそれがべストとは限らない。僕が直感で書くように、お客さんにも直感やイメージがあると思うから。自分が納得していないものにお金を払うのってみんなあんまりいい気持ちはしないでしょ? お客さんにはどんな形でも最終的に納得して帰ってほしい。それだけなんです」とのこと。ポリシーを感じる答えだ。

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日本では“路上パフォーマンス”というものはあまり馴染みがなく、どちらかというとプラスなイメージは持ちにくいかもしれない。特にミュージシャンや大道芸などではない“物売り”に対しては、「ぼったくられるのでは?」といった少しダークなイメージを持っている人も少なくないのではないだろうか。

筆者も正直、そのような印象を心のどこかに持っていたが、「経験0からこの物売りを始めた僕が、その場で0から生み出すもので、誰かの心に何かを感じさせられたら素敵じゃないですか。僕もその瞬間は最高に嬉しいです」と話す笑路さんの笑顔を見ると、食わず嫌いをしていたような感覚に陥った。

今後は吉祥寺を中心に活動をしていく予定だそうなので、皆さんも訪れた際には直感で素敵な言葉を書いてもらってはいかがだろうか? 笑路さんはいつでも得意の優しい笑顔で迎えてくれるはずだ。

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※最後に、しらべぇにもインスピレーションで書いたハガキをプレゼントしてくれました! 笑路さん、ありがとうございます。

(文/しらべぇ編集部・八木彩香

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