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【法律コラム】「大学の自治」って何? 京大での出来事を小学生でもわかるように解説!

コラム

Kyoto_University

秋も深まってきて、朝に布団から出るのも嫌になる季節がやってきましたね、弁護士の佐藤大和です。

さて、先日、京都大学で、京都府警の男性警察官が、京都大の学生とみられる数人に取り囲まれたというニュースがありましたね。

このニュースを見て、「警察官の行為の何が問題なの?」と思った方々も多いと思います。今回は、このニュースについて、できるだけわかりやすく、小学生でもわかるように解説していきたいと思います。そのため、ざっくりとした説明になっていますが、法律家の先生や学者の先生は、怒らないでくださいね。

「大学の自治」って何?

今回の大学生たちは、警察官が大学に入ったことに対して「『大学の自治』の侵害だ!」と言っていますね。

さてさて、そもそも「大学の自治」とは何でしょうか?普段の生活では、あまり聞き慣れない言葉ですね。自治とは「自分たちのことは自分たちで管理しますよ」ということですので、大学の自治とは、誤解を恐れずに、ものすごく簡単にいえば、「大学内のことは、自分たちで管理しますよ~。」ということです。

そして、この「大学の自治」は、憲法で保障されていると考えられているのです。

具体的には何を規定している?

「大学内のことは、自分たちで管理しますよ~。」と言われても、具体的にはどういうことでしょうか?いろいろな考えがあるのですが、

①教員の人事における自治
②施設の管理における自治
③学生の管理における自治

などがあります。

「教員の人事における自治」とは、教員(大学の教授や講師)の人事(採用や地位)などは、大学が自分たちで決めますよ~!ということです。そして、「施設の管理における自治」と「学生の管理における自治」も、大学が自分たちで大学の施設を管理するし、学生たちも管理しますよ、ということです。

何で「大学の自治」が必要なの?

それは、憲法で保障されている「学問の自由」を守るためです。

実は昔、国が、それぞれの学問に対して、攻撃や圧力行為をしていたことがあったのです。「そんな学問(勉強)をやることは許さん!」という感じですね。だから、憲法では、学問の自由を認めたのです。

でも、警察等が、好き勝手に大学に介入してきたら、憲法で認めている「学問の自由」が侵害されるかもしれませんよね。

まぁ、確かに今の日本ではあまり考えにくいことかもしれません。でも、いつ国の方針が変わるかなんてわからないですよね?例えば、急に「漫画の研究なんてするな!」と言って、漫画に関する全ての本を取り上げていく可能性もあるわけです(あくまで可能性の話ですよ)。だからこそ、「学問の自由」を守るために、大学に「自分たちのことは自分たちで管理するから、勝手に介入してこないでね?」ということで、大学に「大学の自治」を認めたのですね。いわば「学問の自由」を守るためのバリアです。

今回の出来事の問題点は?

さて、今回のニュースを振り返ってみましょう。大学内に許可なく勝手に警察が入っていますね。大学の了解なしに警察が大学内に入ってしまうと、「自由な学問」ができなくなる恐れがあるため、問題になってしまったのです。

もっと簡単にいえば、これも他の法律家や学者の先生方からめちゃめちゃ怒られるかもしれませんが、「自分の家に勝手に警察官が入ってきた!」という印象に近いものだと思ってください。

もし自分の家に勝手に警察官が入ってきたらびっくりしますよね?もちろん、家に入っても良いという許可を受けていたり、命の危険等があったりする場合には、やむを得ないかもしれませんし、また誰でも家に入っていいよ~と言っていた場合はともかく、何もないのに急に入ってきたら、びっくりしますよね。

「大学も一つの家」というイメージを持つとわかりやすいかもしれませんね。(※あくまで「小学生でもわかるように」としてですよ!)

さて、今回の大学生の行為の是非についてはともかく、「大学の自治」についおわかりいただけたでしょうか?もちろん、今回の説明はざっくばらんとし過ぎていて不正確だという指摘があるかもしれませんが、それでも少しでもイメージをつかんでいただけたら嬉しいです。

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(文/弁護士・佐藤大和

画像はWikipediaの「京都大学」の項目からの引用です。

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