12月5日は、タイが黄色に染まる日…日本人も涙する、国王への国民の敬意
今年も残すところあと少し、12月に入りましたね!しらべぇ海外支部、タイからです。
ここタイでは、12月に入ると一斉に、街がある1色に染まります。常夏のタイですから、紅葉のような木々の色の変化ではなく、もちろんクリスマスカラーでもありません…。染まるのは、黄色です。それは、タイの王様と国民の関係性にありました。
12月5日は、タイの現国王の誕生日です。タイ人は、生年月日と並び、生まれた日の曜日をとても大切だと考えており、曜日毎のカラーも決められています。日曜日は赤、月曜は黄色、火曜はピンク、水曜は緑色、木曜はオレンジ、金曜は青色、土曜日は紫色となっています。
月曜日にお生まれになった国王の象徴カラーは、黄色。そんな理由から、誕生日月である12月、街は国王を祝福するための黄色で溢れるのです。会社、マンション、コンドミニアムなどのビルの前には、黄色で縁取られた国王の肖像画や写真が掲げられ、屋台では黄色いポロシャツやTシャツなどが大量に売られ消費されます。
現国王は、ラーマ9世。プミポン国王の名で知られ、国民から絶大な支持と敬愛を集めています。その一例が、こちら。
帰宅を急ぐ人々でごった返す駅構内で、突然時が止まったかのように、人々が微動だにしなくなりました。筆者が初めてこの光景に遭遇した時は、本当に驚いたものです。普通に歩いていたので、突然止まった目の前の人に思わずぶつかるところでした。朝8時と夕方6時には国歌が流れ、国王に敬意を示すために皆立ち止まるのです。日々の暮らしに、自然に敬意が組み込まれているんですね。
さて、筆者は昨年の12月5日、王宮前広場での式典に参加してみました。黄色の服に身を包んだタイ国民が続々と集まり、帰りは想像通りの大渋滞。王宮に向かう親衛隊やパレードの数々…それはそれは華やかで賑やかな印象でした。
が、最も印象的だったのは、お車で通る国王を一目見ようと沿道に集まった人々の長い長い列。炎天下のなか待ち続けている人々の目に映ったものは、なんだったのでしょう。ひたむきに「尊敬する、敬愛する」姿勢は見ているこちらの胸を打ち、お車を見送りながら涙するタイ人の姿に、ついついもらい泣き。同じようには思えなくとも、どれだけの思いがあるかを感じられる場面でした。
こんなにも国民から愛されているプミポン国王も、今年で87歳。キャンドルの炎に、国王の健康とタイ国の益々の発展を祈らずにはいられません。
(文/しらべぇ海外支部・hiroko)