子供が本を読むようになるには(後編)【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

2014/12/10 11:30


しらべぇ1211溜池ゴロー

ワシの息子は本の虫である。いついかなる場所であっても時間が少しでも空くと即座に本を開き読み出す。困ったことに外食時のときなど、口の中にいっぱい食べ物をほおばったと思うと、咀嚼しながら本を読みだす。

「そんなに食べ物を口に詰め込まなくてもいいではないか」と注意をしても、また思いっきり口に詰め込み、本を読み出す……どうやら息子は、口の中に食事を詰め込めば詰め込むほど咀嚼する時間が伸びるので、そのぶん本が読めると思っているらしい……

ドラマ「裸の大将」の中で、山下清が「オニギリが大きければ大きいほど遠くへいけるんだな」と言っていたが、その論理と似ている……まあ、どうでもいいことだが。

食事のときだけではなく、寝る前やトイレに座っているときや、もちろん電車に乗っているときも読む。それくらいならいいのだが、道を歩きながら読んだりもする。

二宮金次郎の時代と違い、現代は車や自転車も通るし、ゲームをしたりスマホを見ながら歩く人間もいる。危険なので、道を歩くときに読むのはやめるよう注意をしているのだが、なかなかやめない。

先日の水泳練習からの帰りなど、そのとき読んでいた本がよほど面白かったのか、逆方向の電車に乗ってしまったことに気づかずに、遠くの駅まで行ってしまったらしい。気がついたときには、まったく知らない駅名で見たことのない場所だったそうだ……困ったものである。まあ、それくらいワシの息子は本が好きなわけだが……。

前回から、なぜワシの息子が読書好きになったかを分析しながら、自分の子供を本好きにする方法を考察している。繰り返しにはなるが、ここでもう一度、ワシらが息子を育ててきた中で、息子が読書好きになったことと大きく関係ありそうな要素を挙げてみると……

① テレビが家にない。

② オモチャやゲームをほとんど買わなかったが、絵本、本、漫画、図鑑、写真集などは、どんどん買って、部屋中にばらまいていた。

③ 時間があれば読み聞かせをしていた。

④ ワシら夫婦(特に妻)が読書好きである。

ということだった。①と②はすでにお話したので、今回は、③と④について語りたい。


 


 

③時間があれば読み聞かせをしていた

本屋に行けば、数多くの子育て本が出ている。息子が生まれた頃、ワシも数十冊の子育て本を読みまくったものである。ほとんどの子育て本には、「絵本の読み聞かせは大切」ということが書かれている。

当たり前のことだが、ワシも子供にとって「本の読み聞かせ」は大切だと思っている。ただ、ワシが思うに「本を読み聞かせる」前にもっと大切なことがある。それは、子供が赤ん坊の頃から「話す・語りかける」ことだ。

ワシら夫婦は、息子が生まれた瞬間から、赤ん坊の息子に言葉をかけていた。しかも、俗にいう「赤ちゃん言葉」(ブーブーとかニャンニャンとか)は、ほとんど使わず、普通の話し言葉でだ。まだ言葉を理解していない赤ん坊に、「どうした?おなかがすいたのかな?それともお外に行きたいのか?じゃあ、お父さんとお母さんは今から準備するから待ってるんだよ……」という感じで普通に話しかけていた。

そして、息子の意思表示などには常に反応してやっていた。ワシが赤ん坊の息子に話しかけ続けていると、息子からも言葉にならない声で「ウーウーウー」と、何かを自慢気に語ろうとしてくるときがあった。そんなときは、ワシからも「うん、うん、それで?へー、そーかー!お前はいい子だなー!」と思いっきりの笑顔で頭をなでてやったりした。

息子は嬉しそうに、もっと何かを話そうとする……今思うと、この時点からすでに息子との間に「言葉のやりとり」が始まっていたような気がする。 これによって、赤ん坊の息子とワシら夫婦の間には、「相手の話を聞き、興味を示し、自分もアウトプットする」というコミュニケーションの土台ができていたので、絵本の読み聞かせを始めても、赤ん坊の息子は興味を持ってワシらの声を聞き、理解しようとしていたと思われる。

親の読み聞かせを楽しみにしだすと、子供はますます読んでもらいたい欲求が強くなってくる。やがて、ハイハイをし、立ち上がり、歩くようになると、部屋中にばらまいている絵本や本の中から興味のあるものを勝手に親の手元に持ってきて「読んでくれ」という意思表示を示しだす。

そうなると、親は時間を惜しまずにどんどん子供に読み聞かせをしてやるべきだし、無駄になっても良いので本はできるだけ部屋にばらまいておくべきだとワシは思っている。

自分たちが仕事で忙しいときには、息子を面倒見てくれるベビーシッターさんにも読み聞かせをしてもらった。ベビーシッターさんは子育て経験のある年配の女性だったが、ワシらのように実家が近くにない夫婦にとっては非常に助かる存在だった。近くに実家があり子供のを面倒見てくれる親のいる方は、是非おばあちゃんに読み聞かせをお願いするべきだと思う。

子育て本の中には「読み聞かせの具体的な方法」まで丁寧に教えてくれているものもあるのだが、ワシはあまり参考にはしなかった。なぜなら「読み聞かせの方法」が書かれてあるもののほとんどが、「お母さん」向けの方法で、例えば「声のトーンは高めで」とか「優しいお母さんの声で読みきかせをすると子供の気持ちは落ち着く」とか、ワシのようなオッサン向きではなかったからだ。

なので、ワシはワシなりに考えて、ワシにできる読み聞かせをしていた。身振り手振りゼスチャー入りで、顔の表情も大げさに変化させ、声の雰囲気も役柄によって変える。まるで子供用劇団の役者のように演じてみせてやるのだ。妻も妻で面白く演じながら、よく息子を笑わせていた。

当然、息子は喜び、笑い転げ、「とおちゃん、もっかい、よむ」と何度も同じ場所を読むようにせがんでくるようになる。ちなみに、ワシは仕事上、女優さんに演技をつけるが、大抵は女優さんの前で演じてみせながら説明をするのだが、子育てにも役立つとは思わなかった(笑)

こんな風に四六時中「読み聞かせ」を行っていると、あるとき、息子が本を読むマネをしだした。本を開いて、拙い言葉を使い、ワシら夫婦が読んでやった話を思い出しながら、またはデタラメなお話のようなものをいかにも読んでいるように言葉にしていた。

息子の中では本を読んでいるつもりになっていたのだろう。ワシら夫婦やベビーシッターさんに読み聞かせをしてもらううちに、自然と「自分で本を読みたい」という気持ちが息子の中に芽生えていたのだと思う。

きっと、この「読みたい」という欲求があれば、子供は当然「本を読む子」になるだろう。スポーツでもなんでもそうだが、人間、手本になるものがないと自分の中でイメージができない。イメージができないと、どうやっていいかわからない。

例えば、ワシが趣味で習っているブラジリアン柔術だって、まずは先生が技の掛け方を教えてくれ、それを何度も見せてくれる。 そして形だけでもマネしながら自分でやってみて、また先生のお手本を見て、またやってみて…と繰り返して行くうちに、相手のどこにどう効き目があるかわかってくる。そして、やっと身につきだす。

本を読むことも同じだ。だから子供にとって「読み聞かせ」は大切なのだ。


関連記事:子供が本を読むようになるには(前編)【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

 

 

④ワシら夫婦(特に妻)が読書好きである

友人から「うちの子供ぜんぜん本読まないんだけど、どうすりゃいいかな」と相談されたことがあった。その友人はあまり読書はしない。聴くと彼の奥さんも読書はしないらしい。ワシが彼に「親が本を読まないから子供も読む習慣がないだけではないか?今日から本を読み出せばいいのでは?」と答えたのは、当然の流れだ。

こんなことは当たり前のことだが、子供は親を見て育つ。だから本をまったく読まない親の子は、本を読む習慣はつきづらい。逆を言えば、本を読んでいる親の子は、本を読むようになる確率は高い。

ワシも妻もいつも本を持ち歩いているし、家の中でも何冊も読んでいる。息子は、そんな親の姿を当たり前として生活してきた。そう考えれば、ワシらの息子が本好きになるのは必然だったかもしれん。

現在10歳の息子は、大人も読むような数百ページある推理小説などを平均3日に1冊のペースで読む。息子の読書速度も非常に速い。すでにワシなんかより全然速い。これは、ひょっとしたらワシの妻の遺伝かもしれん。

というのも、ワシの妻・まり子は、異常なくらいの多読である。しかも読む速度が異様に速い。

実をいうと妻は「直観映像記憶」の能力があるらしい。 ワシも詳しくはないのだが「直観映像記憶」というのは、本を読むときに見開き2ページ分を写真のように頭に取り入れ、次のページをめくっているうちに理解するという、とんでもない能力で、噂では手塚治虫やケネディー大統領などがその能力を持っていたという。そして、どうやらワシの妻は「直観映像記憶」の使い手らしい……んんん、恐ろしい。

息子の読書速度の速さを見ていると、100%内容を理解できているかというと疑問である。ワシが読んでも理解するのに時間がかかるものもあったりするので、きっと理解できない箇所は流しているのだろうと思われる。が、ワシは、それで良いと思っている。

ここからはワシの持論かもしれんが、本を買ったからといって最初から最後まで寸分漏らさず読まなければいけないわけではないし、本人にとって都合よく読んでいればいいと個人的には思う。

特に子供に、読むのが苦痛な箇所を無理矢理読ませることはない。そのことで本を読むことが苦痛になってしまう場合もあるだろう。 だったら、身構えずにどんな本でも開いて読んで多読にしてやったほうが、将来的には読書へのハードルが低くなり、「本を読む人」になりやすいのではないだろうか。

なので、親は子供の読む本を無理矢理決めることもない。子育て本には、「名作を読ませなさい」と書いてあるものもあったが、親がそこに固執して子供が読書嫌いになってしまっては元も子もない。子供が読みたくなった本は与えてやるべきである。

ちなみに、ワシの息子が幼い頃に初めて欲しがった図鑑は、「キノコ図鑑」だった。当時保育園児だった息子は、「キノコ図鑑」を持ち歩き、周囲の人間に「火炎茸」や「紅天狗茸」の恐ろしさを説明して回っておりましたとさ(笑)

以上!

(文/溜池ゴロー

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