【通説は正しかった】大阪の敷金・礼金は東京の1.45倍、沖縄の2.87倍!
家を借りる際には、家賃とは別に「敷金」や「礼金」という名目の初期費用が掛かります。「敷金」とは、家賃を滞納しない限り、部屋を解約する際の清掃や修繕に掛かった実費を除いて、借り手に返金される性質の保障金。一方、「礼金」は家主への謝礼として支払うことになる費用です。
これらは多くの場合、それぞれ家賃何か月分という形で設定されており、「敷金」+「礼金」の額が、1か月目の家賃とは別に入居時に準備する必要のある「まとまったお金」になるわけです。
筆者は大阪に住んだことはないのですが、「大阪は敷金や礼金が高い」という通説をこれまで何度も耳にしたことがありました。それは、本当なのか? 仮に本当だとすると、果たしてほかの地域と比較したとき、具体的にどれくらい高い設定になるのか?
実際に各地の賃貸情報と比較することで、今回は敷金や礼金の地域差について明らかにしてみたいと思います。
■大阪を北海道、東京、愛知、沖縄と比べてみると
今回の企画で大阪と比較するのは、広大なイメージの強い北海道、のんびりしていそうな沖縄、家賃そのものが高い東京と、大阪と東京の中間にある代表的都市圏・名古屋です。
2014年11月にインターネットで貸主を募集していたこれら各都市の賃貸情報合計56万5711件を使い、家賃に対して何か月分の敷金と礼金が掛かるのか、地域別に平均をグラフ化してみました。
関連記事:【本場のサンバダンサーも納得】4段階の味をつくれる最新コーヒーメーカーを試してみた
■家主に対しての「礼」を重んじる大阪文化
その結果、大阪で必要になる敷金礼金の合計は、平均して家賃の2.267倍。これは、家賃との割合で東京の1.45倍。敷金と礼金を合計しても家賃1カ月分をとらない傾向にある沖縄との比較では、なんと2.87倍も家賃に対する初期費用が余計に掛かることが判明しました。
さらにその内訳をみてみると、大阪では敷金と礼金を合計した初期費用に占める「礼金」の比率が67.2%にも昇っています。
これは、北海道の14.8%、東京の39.2%と比較すると突出して大きな数値になっており、家主に対する「礼」を重んじる大阪文化の一端が、データから垣間見える結果となりました。
※調査概要
各地域で2014年11月にインターネットにて借主を募集していた賃貸住宅情報を対象に、敷金、礼金の平均を算出して可視化。
対象地域とデータ件数は以下の通り。
東京:22万853件
大阪:16万1875件
愛知:8万7469件
北海道9万3942件
沖縄:1572件
(文/かっこ株式会社・成田武雄)