「自由律俳句」の作り方を学ぶ【双子タレント奈津子亜希子、人生体当たり!】
こんにちは、双子でタレント活動をしています、奈津子と亜希子です。
まずは奈津子から。先日、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが月刊誌「文学界」で小説家デビューされることが話題になりましたね!
今回は、そんな又吉さんの文学的感覚をイチ早く見抜かれ、2009年に又吉さんと共に幻冬舎より自由律俳句の本『カキフライが無いなら来なかった』、そして翌年には続編『まさかジープで来るとは』を出版し、現在も様々な作品の執筆・演出・構成を手がけている文筆家・せきしろ先生に突撃取材してきました!
あまり大きな声では言えないようなことや、心に漂うモヤモヤ、そんな「言葉にしづらい思い」こそ俳句になると話すせきしろ先生。私たちもタレントとして日々生活していくなかで、言葉にできない様々な葛藤を抱えて生活しています。心情や日常の風景を俳句としてすくい上げる技術を学ぶことで、今よりももっと言葉をうまく操れるようになるかもしれません。
そうすれば、コラムがもっと上手に書けるようになるかもしれないし、何よりも俳句がつくれる女性ってなんだか古風でモテそう…(ココ大事)。でもその前に「自由律」って一体どういうことなんですか?
画像をもっと見る■五・七・五でなくても良い!
亜希子(以下、亜):まず「自由律俳句」とはなんでしょうか?
せきしろ先生(以下、せ):自由律俳句とは、「五・七・五」という定型に縛られずに自由に作られる俳句のことです。コピーや詩やポエムと違う点は、あくまで俳句を作ろうという意識が必要なことと、キレやワビ・サビ、情緒、そして哀愁があることだと僕は思っています。
奈津子(以下、奈):なるほど。作品をつくるモチベーションや、大切にしていることはどんなことですか?
せ:例えば洋服屋さんに入ったとき、僕は何も買わずに出て行くことができないので、部屋には指のない手袋や使わない物が増える一方です。ちなみに、又吉君は何も買わずにお店を出た場合、振り返って看板をじっくりみてから店員さんに「お店何時までやってますか?」と聞くそうです。
こんな風に、「大人になってもうまくかわせない」というもどかしさは、創作の原点になると思います。また、風景の切り取り方も人それぞれです。創作しようと思っていて道を歩いている時、水が流れてきたら「まだ出ている」と感じるのか「やっと出てきた」と表すのか。言葉のセレクトに自分が全て表れると思います。
ただ、物事から影響を受けてひらめきや発見があっても、それをネタやコントなどの作品にするのはなかなか難しい。しかし、あえて俳句として作るならば、新たな輝きを見せられる場合もあるのではないかと思います。
亜:ところで今日、奈津子も亜希子もせきしろ先生も皆パーカー着てますね!
せ:それでひとつ、句が出来ましたね。
双子:!!!?
せ:「3人共、パーカー。」
双子:ぬおおおお!
せ:ただの「あるある」やウケ狙いになるのは違いますが、まずは前提として短いセンテンスの余白の部分から想像力をかき立てられる必要があると思います。
(それから、取材現場にたまたま飾られていたテーブルの上の花瓶をみてぽつりと一句)
「また、ドライフラワーになった。」ですかね。花束を貰うのはいつだって凄く嬉しいのに、長持ちさせるのは難しくて、すぐ枯れさせてしまうこともありますよね。「これはドライフラワーになる花」という句にもできます。
双子:見方を少し変えただけで味わいが違う!風景の切り取り方って沢山あるんですね。
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■私達も一句、作っちゃいました。
奈津子:「全然待ってないよと笑っていいながら、冷たい手を握らせる」
亜希子「満員電車 見知らぬ男性からの壁ドン 感情は無」
いかがでしたか? 今回のインタビューを通じて、せきしろ先生から、なんの変哲もないように思える日常にも「おもむき」や「ワビ・サビ」を感じることができるのだということを学びました。皆様も通勤や通学電車の中などで、コッソリ自由律俳句を作ってみてはいかがですか?
(文/奈津子・亜希子)