昨夜の飲み会、後輩は「断りたいけど断れない」から参加していた可能性39.3%!
夜9時。ある日のオフィスにて
ここはオフィスビルのあるフロア。どうしても今日中に片付けなければならない仕事を抱えているため、今夜は残業のあなた。気づけば時刻は夜の9時をまわっています。広いオフィスを見渡すと、フロアにいるのは自分と先輩二人だけです。そうだ、あの人プレゼンが近いって言ってたし、今夜はまだまだがんばるつもりなんだろうな。
帰り支度を整え、先輩に挨拶します。
「おつかれさまでーす、お先に失礼…」
「おい、ちょっと待てよ」
「…はい?」
「喉乾いたから、一杯いっとくか」
「え…」
そう言うと、先輩はパソコンの電源を切り、秒速で帰り支度を整えました。
(うわぁ、断りづらいなあ…)
「じゃあ、ガード下のあそこ行こうか」
「はい、行きます」
結局、その日は終電ギリギリまで先輩と盃を交わす夜となりました。当初、飲むつもりのなかったあなたですが、先輩からの飲みの誘いは断りづらかったらしく、結局ついて行くことになったのです。
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その飲み会、断りにくいから行っただけです
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このように、先輩からの飲みの誘いは「断りづらいから行く」という経験をしている人は決して少なくないようです。以下のアンケート結果をご覧ください。
【質問】
「上司や先輩から『飲みに行こう』と言われた時は、『断りたいけど断れないから行く』ことが多い」と答えた人の割合
若手社員ほど回答率が高いのは、納得できる結果と言えるかもしれません。
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じゃあ、断りやすい飲みの誘いなんてあるのか?
後輩が「断りづらいから行った」飲み会は、果たして先輩と後輩双方にとって幸せな結果を招くのでしょうか。いやいやながら参加している飲み会ですから、後輩にとってはつまらない。そして飲みに誘った先輩も、いやいやながら参加した後輩との宴席を楽しめるのか、という問題が指摘されるでしょう。
こうした問題に対し、ある種の「現実派」と言えるような人たちのコメントを回答者の一部からいただきましたのでご紹介します。
「断りやすい飲み会なんて自分と近い立場の人との飲み会であることがほとんど。やりたくないことをやるのが仕事」(40代男性)
「飲み会は業務時間外の業務といえばそうなのだが、それで評価が下がったら会社にいずらくなるわけで。それでもいいなら断るべきだけど」(40代男性)
「飲みの誘いを断りやすい環境をつくるべき、なんていう理想論を実現するより適当に参加して早めに帰るほうが現実的」(40代男性)
「若手は徹底的に『都合のいいヤツ』のフリをする期間。そのうち自分が誘う側になる」(50代男性)
「素直なコミュニケーションを職場で期待するのが間違っているでしょ」(40代男性)
「職場の仲間との飲み会だと思うからムカつく。クライアントの接待だと思って参加するとよい」(30代男性)
一部、かなり悲観的な意見も見られますが、現実派の回答はどれもある種の経験論と言えるものかもしれません。
職場でのコミュニケーションの問題は長年私たちを苦しめる問題と言えますが、まだまだ解決の道のりは遠いようです。こうした問題に対しては、そもそも解決することがなく、ずっと付き合い続けざるを得ないもの、と捉えたほうが過度な理想論やユートピアを探し求めるよりもストレスがたまらないのかもしれません。
とは言え、ブラック企業の問題を筆頭に職場環境の解決が叫ばれる昨今。無理な誘いはパワハラとなり完全な法律違反です。開き直った「社畜根性」も法の前ではその意味をなしません。今後は今まで以上に職場の飲み会文化に大きな変化がもたらされることでしょう。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年12月12日(金)~2014年12月15日(月)
対象:全国20代~40代の男女900名
(文/しらべぇ編集部)