息子を強くて優しい男にするためにワシが考えたこと【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】
息子には将来どんな男に育ってほしいか?……男の子を持つ親なら誰しも考えることだろう。ワシの場合、息子に想い描く理想の男像は……「強くて」「優しくて」「頭が良くて」「面白くて」「爽やか」な男である。
なので、息子を育てる上で、それら5つの要素はいつも意識しているつもりだ。もちろん、ワシの息子はまだ10歳なので、結果そうなるかどうかは、まだまだわからんが……男子なら特に「強さ」と「優しさ」は併せ持ってほしいものである。
「強さ」と「優しさ」を持ってほしいから、息子には保育園に入園する頃から言い聞かせていることがある。それは……
① 自分より小さい子と女の子には何をされても手を出すな。しかし、自分と同じまたは大きい子から攻撃されたら、必ずやりかえせ。
② 友達がイジメられていたら助けてやれ。
③ 自分が悪いと思ったら、ハッキリあやまれ。相手が悪いと思ったら、たとえ年上でもハッキリ言え。
④ ただし、世の中には「気違い」もいる。「気違い」だと思う相手からはすぐに逃げろ。または近づくな。
以上4つである。
ワシがこんなことを言い聞かせていたからだろうか、つい最近まで、息子は人とぶつかることがやたらと多かった。
小学校入学早々から、どの学校にも学年に1人いる「あいつちょっと危険」と周囲から思われているような同級生とも正面からまともにぶつかっていたし、学年が上の生徒とやり合うこともしばしばあった。喧嘩に発展することもしょっちゅうだった。
なのでワシは息子が喧嘩をする度に、いざこざの状況説明を息子からしっかり聞くようにし、ワシと一緒にいるときにことが起きた場合は、止めに入る準備をした上で、できるだけ遠くから観察するようにしてきた。例えばこんなことがあった…
■年上姉弟とのケンカ
息子が保育園の年少の頃、休日の公園に息子を連れて行ったときのこと。その大きな公園には小山があったり、アスレチック系の遊具があったりして、息子は1人で猿のように走り回り遊びまくっていた。
ワシは、息子には好きに遊ばせ、ベンチでコーヒーを飲みながら本を読んでいたのだが、ちょっと気にかかり、しばらくして息子を探しにいった。すると、息子が2人の子供たちに囲まれているではないか。
息子を囲んでいるのは、小学校低学年であろう男子と高学年であろう女子の姉弟らしい2人組だった。なにが原因かわからんが、なにやら揉めており、その姉弟は、相手がまだ4歳やそこらの子供にも関わらず、口汚い言葉で攻撃していた。そして息子も負けじと拙い言葉で応戦していたところ…
突然、女子の方が息子の足を蹴飛ばしてきた。怒った息子は、小さな体で2人につかみかかっていこうとしたが、弟の方に後ろからしがみつかれ動けない状態になってしまった…
ワシは、いざとなったら出て行く準備をしつつも、小学生2人相手に闘う息子の姿をギリギリまで観察することにした。
2人に対し、息子は抵抗し暴れ回っていた。ワシは、息子の抵抗がいつまで続くのか、小学生2人相手に息子がいつコワさを感じだすのかを見極めようと観察していた。
そして、抵抗が続かなくなったときや泣き出しそうになったときに出て行ってやればいいか、その直前に出て行ってやればいいか、思案していたのだが…
息子の抵抗が意外にも強いと思ったのか、やがて姉弟たちは捨て台詞を吐いて走り去っていった。ワシは、息子のところに行き「どうした?」と訪ねたところ…
息子「あいつらオレが遊ぶの邪魔するんだ。だから喧嘩したんだ」
ワシ「そうか。ケガはなかったか」
息子「オレは大丈夫だよ。またあいつらに会ったらぶっ飛ばしてやるんだ。あいつら二人いるから、今度は◯◯くん(保育園の喧嘩仲間)と一緒に闘う!」
ワシ「そうか、がんばったな。お前は、小学生になっても、小さい子に手をだすような卑怯な人間にならないよな」
息子「オレは卑怯な奴にはならないよ」
「これで息子は弱い者イジメをするような卑怯な男にはならんだろう」と心の中でほくそ笑みながら、ワシは息子の頭をなで、手をつないで家路についた。
しかし当然、息子にも悔しさが溜まっているだろうと予想できたので、息子が寝る前に、枕をサンドバッグ代わりに好きなだけパンチを受けてやりましたとさ(笑)
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■言葉で教えるよりも体験から学ばせる
ワシの勝手な考えだが……事件が起きたときこそ、大事なことを教えられる一番のチャンスではないだろうか。もちろん、このようなやり方は決して褒められるような方法ではないことはわかっているが……
言葉だけで「モラル」や「強さ」や「優しさ」を教えるよりも、何かを「体験」したときにすぐさま「そこから抽出される大事なこと」を教えてやるほうが「経験」として身に付くのではないだろうか……とワシは思っている。
てなわけで、次回は、今まで息子が起こした喧嘩騒動を書くことにする。
以上。
(文/溜池ゴロー)