【子育てクイズ】子供が落としたお箸は拾ってあげる?

コラム

2015/01/19 18:00

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自宅での食事中、未就園児くらいの子供がお箸を落としてしまった。落ちたのは親である自分のすぐ下。子供のお箸を拾ってあげる?自分で拾わせる?どっちが「正解」でしょう?

①自分で拾わせる
②拾ってあげる

状況にもよるでしょうね。食事中にふざけていて、案の定落としてしまったのなら、「自分で拾いなさい!」と怒りたくもなるでしょう。うっかり落としてしまっただけなら自然に拾ってあげちゃうかもしれませんしね。



 

結論から言えば、どちらも「正解」です

①の「自分で拾わせる」というのには自己責任を教えるという意味があると考えられます。子供にとっては「自分でしてしまったことの始末は自分でしなきゃいけないんだ」ということを理解する経験になります。子供を甘やかさないという意味で「正解」です。これは分かりやすいですよね。その意味で②を選んだ人が多かったのではないでしょうか。

では②はどうでしょう?子供を甘やかすことになると思った人も多いのではないでしょうか。しかし子育てはそんな単純なものではありません。②の「拾ってあげる」というのには、思いやりの気持ちを教える意味があります。

人間の「学習」には、いくつかのパターンがあります。「パブロフの犬」で有名なのは「条件反射」です。一定のインプットとアウトプットを繰り返すことで、不随意な反応を学習してしまうということです。別の学習理論には「アメとムチ」という表現もあります。

専門的には「オペラント条件付け」と言います。報酬や罰を与えることで、好ましい行動を強化し、好ましくない行動を抑制するように操作することです。これらはまさに動物の調教などに用いられる方法ですよね。


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しかし人間にとって一番強力な学習理論は「モデリング」であると言われています

モデリングとは、他者の振る舞いを観察することによって新しい行動を獲得することです。例えば二足歩行はモデリングにより獲得されます。ヘビやムシを怖いと思うこともモデリングによるものだと言われています。

モデリング理論では、「子供は親の言ったようにはしないけれど、親の言い方を真似する」と言われます。言って聞かせるよりも、手本を見せる方が、子供のしつけには効果があるのです。

で、さきほどの状況を、モデリング理論的に見てみましょう。子供が落とした箸を、たまたまその近くにいた親が拾ってあげたとしたら、子供は「自分の足下に人の箸が転がってきたら、自分もそれを拾ってあげよう」と思えるようになるのです。

もちろん1回で完全に学習するわけではありませんけど、そういう効果は期待できます。つまり思いやりの心を教えることになるのです。


だから、①も②もどちらも「正解」

自己責任を教えたいのか、思いやりを教えたいのか、そのときの子供の状態や発達段階に応じて使い分ければOKです。常にどちらかでなければいけないなんてことはありません。

これはほんの一例。

子育て、しつけ、教育においては、「これが正解」なんて絶対的なものはありません。多面的で複雑なものなのです。一見無駄に見えること、良くないと思えることにも大事な意味があったりします。

「正解なんてない」とも言えるし、よほどなことでない限り「全部正解」とも言えます。親として一番いけないのは、「こうじゃなきゃダメ!」と思い込んでしまうことです。

(文/おおたとしまさ