【1月恒例】今年も難問が話題になった「センター試験」の歴史・珍問を調査!
ある世代の方たちは、「試験」と聞くとセンター試験を思い出す人も多いかもしれない。国公立大の対象者向けに1979年から行われていた、「共通一次」試験がセンター試験の前身だ。
1990年から、現在の大学入試センター試験が導入され、私立大学もその成績を使えるようになった。2020年には、センター試験から一部記述式で、複数回受験の試験への変更が決定されている。
今年も、「数2Bが難しすぎる」などさまざまな話題が出たが、長い歴史の中でセンター試験は数々の珍問を世に送り出してきた。今回はその一部を紹介しよう。
国語の珍問:「シイゼエボオイ」ってなんだ?
■「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」
2011年の国語出題の加藤幸子『海辺暮らし』より。
干潟近くで駄菓子屋を経営する、お治というお婆さんが主人公の小説だ。実はこの干潟が工場の廃水で汚染されており、埋め立ててゴミ処理場にすることが決定されている。
そのために、彼女に立ち退きをお願いする市役所の職員との会話で物語は進んでいく。職員を汚染されたあさりで作った佃煮でもてなすお治さん。したたかである。
職員が世間話を切り上げ、立ち退きの話をした瞬間、彼女は「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」と機械のような声で告げる。そして、突然耳が聞こえなくなったと主張する。急展開についていけず、動揺した受験生が多かったのではないだろうか。
■「スピンスピンスピン」
このフレーズに聞き覚えはないだろうか。2013年国語出題の牧野進一『地球儀』より。この小説は、会話文に特徴がある。
「シイゼエボオイ・エンドゼエガアル」
「スピンアトップ・スピンアトップ・スピンスピンスピン」
「フエーヤー?フエーヤー……チョッ!」
「ヘーヤーヘブン」
一見、意味がわからない。試験では注釈が入り、理解はできるものの、受験生を混乱の渦に巻き込んだのは間違いない。
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英語の珍問:数々の受験生を苦しめてきた「Patくん」
【2000年】
友人のEmiにゲームの攻略方法を教えてあげるPatくん。このゲームは、おそらく名作「スーパーマリオ」をモチーフにしている。プレイヤーがキノコを踏むと死亡、木から落ちてくるどんぐりに当たると死亡、道中にある家の窓にかかるはしごを全部登ると死亡など、とにかく死亡要素が満載なのだ。
クリア方法は、どんぐりときのこが光っている瞬間に、はしごを半分だけ登る。そして、窓の近くに置いてあるペンキの缶からブラシを取り、ブラシで木にドアの絵を書くことだ。条件が複雑すぎて、クリアできる者はほとんどいないのでは…
【2003年】
Patくんは、友人達とキャンプの準備を進めている。友人に虫除けスプレーが大小2つのリュックのどちらに入っているかを尋ねられ、「大きいリュックのサイドの上側にあるポケットに入っているよ」と答える。しかし、実際にスプレーが入っていたのは、小さいリュックのサイドの下側にあるポケット。言っていたことと全く逆だったのだ。その記憶力は果たしてどうなっているのか…
【2007年・2009年・2014年】
2007年にはリスニング問題で登場。風邪を引いたPatくんが病院で薬をもらうといった内容だ。2009年には、Patriciaなる女性名が登場し、Patくんとの関係性を匂わせた。
2014年は、筆記試験で友人のPamとメールを交わし合うという文章で出題。更に、リスニング試験でも、学校に提出するレポートを家に置き忘れるドジなPatくんが登場。2度のPatの出現は、受験生の間で話題に。次はいつ現れるのだろうか。
毎年1月に世間を賑わすセンター試験。今後も、どのような問題が出題されるのか目が離せない。
(文/しらべぇ編集部・おがりょー)