山本リンダと共演!BIGBANG・D-LITEの邦楽カバー活動が“越えて”いるもの

dlite

2月1日に東京・国立代々木第一体育館で行われた人気K-POPグループ「BIGBANG」のメンバー・D‐LITE (ディライト)のソロ公演に、スペシャルゲストとして歌手の山本リンダ(63歳)が登場した。

2014年に全国で開催されたツアー「D‐LITE DLive 2014 in Japan ~D’slove~」のアンコール公演となる今回の東京2デイズ。D‐LITE は、2014年10月に発売されたミニ・アルバム『でぃらいと』のなかで山本による1972年の国民的ヒット曲『どうにもとまらない』をカバーしており、アンコールの東京公演2日目で初めて同曲で本家との共演が果たされた形だ


画像をもっと見る

 

■D‐LITEの「J-POPカバー」活動

伸びのあるソウルフルで高音な歌声が特徴のD‐LITE。そのソロ活動では、『Rainy Rainy』、『SHUT UP』、『Dress』といった秀逸なオリジナル曲のほか、多くの日本語楽曲のカバーに取り組んでいる。2013年に発売した日本でのソロデビューアルバム『D’scover』では、100曲以上の候補曲から自ら選んで10曲のJ-POPソングを“日本語で”カバーした。

2005年頃、K-POP界では平井堅や中島美嘉などといったアーティストの楽曲が“韓国語で”カバー・リメイクされるムーブメントが起こったが、D‐LITEのような間違いなくK-POP界のトップクラスにいる人気アーティストが日本語でのカバーアルバム作成に取り組むという例は珍しい。そのクオリティーも非常に高く、『歌うたいのバラッド』(オリジナル:斉藤和義)のようなカバーとしての代表曲も生まれている

そして前述の通り、2014年のミニ・アルバム『でぃらいと』では、『どうにもとまらない』と和田アキ子の名曲『古い日記』(1974年)をカバーした。両曲はともに、韓国内での日本語の音楽ソフト販売解禁(2004年)からおよそ30年前の楽曲。D‐LITEのカバー活動は、さまざまな“垣根”を越えているといえるだろう


関連記事:いないと成り立たない…音楽ライブを支える「マニピュレーター」という仕事とは?

 

■D‐LITEと山本リンダの共演の意味

2人の初共演は、この日いちばんの盛り上がりを見せた。1コーラス目をD‐LITEが歌った後、2コーラス目に入る前にD‐LITEが「紹介します!山本リンダさん!」と呼びこみ、ステージ上の階段から山本が登場。2人の妖艶でパワフルな共演に会場は大いに沸いた。

そして、山本がステージを去った後、D‐LITEが「(登場すると)一瞬で空気を持っていってしまう。リンダさんは凄い」などと最大限に敬意を込めたコメントをしたのも印象的だ。山本のほうも公演後、オフィシャルサイトのなかでD‐LITEのことを「歌唱力、歌はもちろん、ほんとうにお人柄も素晴らしいエンターティナー」と絶賛。

その図式は、同じ音楽文化のなかに生きる新旧アーティストの共演そのものだ。D‐LITEのカバー活動は、それぞれの音楽から国籍という枠を払拭しているようにすら感じられる

まだまだ壁の存在が否めない両国の音楽文化。韓国内での受容態勢によるところもあるが、日本のトップアーティスト(アイドル)が韓国の大御所歌手の30年以上前の楽曲をカバーし、韓国における公演で本家と共演するという流れが実現することは現状考えられにくい。その意味で、D‐LITEと山本の共演は、双方の音楽文化にとって歴史的なことといっても過言ではないかもしれない

(文/しらべぇ編集部