世界に誇れる服文化! 「ギャルファッション」をスタイリストが考察してみた

日本独自の進化を遂げ、今や世界に誇る一大潮流となった“ギャルファッション”

実はひとくちにギャルといってもそのファッション・バリエーションは多岐にわたり、着る人の趣味嗜好や異性に対するスタンス(=男の目を意識する度合い)を雄弁に物語ることで、彼女たちの仲間意識や住み分けを容易にしてくれている。

とはいえ、非ギャル(ギャルじゃない)人にとってはほとんど見分けがつかないだろうこのファッションを、今回はスタイリスト久保田が独自の分類によってざっくり解説してみようと思う。これを読めば、どれも同じで没個性の集団に見えていたギャル達が、意外なほど高度なファッションセンスによって自身のキャラクターを十人十色に表現していることがおわかりいただける……かもしれない。


 

真ギャル(まぎゃる)

いわゆる「ギャルファッション」として広く一般的にイメージされているスタイル。肌の露出がかなり多く、真冬でも肩や脚などどこかしら生肌を見せるファッションを好む。

盛り髪、カラコン、つけま(付けまつげ)をマストアイテムとし、さらに夜感(キャバ嬢っぽさ)や姫感を強く打ち出したファッションが雑誌「小悪魔Ageha」(現在は廃刊)にちなんで「age嬢」と呼ばれ、一世を風靡したこともある。同じ真ギャルでも最近は美白肌+夜感押さえ目のモード系メイクが主流となり、一昔前の下品なイメージはだいぶ払拭されつつある。

ギャルファッション黎明期の象徴ともいえる真ギャルは、様々なギャルファッションへと派生していき、2015年現在ではかなり少数派となってしまっている。

▼真ギャル2015(参考ブランド:BACKS) ※1ブランド内に複数のギャルファッションジャンルが存在していることも多いので、ご参考まで。
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※画像はスクリーンショットです。


 

肉ギャル(肉食系ギャル)

ヒョウ柄などのアニマル柄やファー素材を取り入れつつ、露出度は高めに仕上げた肉食系ファッション。肌は黒い方が似合うファッションのため、いわゆる黒ギャル(常に肌を黒く焼いているギャル)層に支持される。

初期の真ギャル要素を色濃く受け継いだ一派だが、やはり現在は少数派になりつつある。

▼肉ギャル(参考ブランド:GALEO by Black Diamond)
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※画像はスクリーンショットです。


ストギャル(ストリート系ギャル)

ショートパンツにスタジャン(スカジャン)というようなストリートキッズっぽいスタイリングが特徴。スニーカー、キャップ、パーカーなどのカジュアルでギャルっぽくないアイテムも積極的に取り入れる。

アイテム構成は後述の米ギャルに近いが、こちらはアメリカよりもヨーロッパ寄りのテイストでまとめるのが特徴。背の低い女子に支持されやすい傾向も。

ストギャル(参考ブランド:F&V)
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※画像はスクリーンショットです。


米ギャル(こめぎゃる)

いわゆるアメカジや、LAに代表される西海岸テイストを好むギャル。ギャルファッションの中では最もカジュアルで、男性ファッションっぽくもある。

アイテムとしてはジーンズ、トレーナー生地のパーカーやワンピース、キャップ、チェックシャツ等を得意とする。ベースボールシャツなど「分かりやすいアメリカ風」なテイストもポイントで、その点が前述のストギャルとは異なる。

▼米ギャル(参考ブランド:GARULA)
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※画像はスクリーンショットです。


姉ギャル

露出は比較的少なく、普通のOLファッションとギャルファッションの中間のようなイメージ。 真ギャル卒業組がここにシフトするケースが多く、 2015年現在ギャル市場で主流となっているジャンル。ブランドによってはさらにおしゃれ感度の高い「モード系姉ギャル」や、普通っぽさが安心の「OL系姉ギャル」など、さらに細分化される。

姉ギャルは服そのものよりもメイクやヘア、ネイル、アクセサリーに強くギャル感を残しているため、非ギャル女子が服だけ着ると単なる「普通の人」「地味な人」に見えてしまう。

ヨーロッパのファッショニスタやブランドの影響が強く出ているため、真ギャルのような「派手な色、柄」「露出度の高さ」を売りにはせず、「黒ベースのシックな色合わせ」「色柄よりもシルエットで身体をきれいに見せる」ことを重視している。

そのためコーディネートの難易度はかなり高く、最も高度に進化したギャルファッションと言えるかもしれない。

真ギャルと一緒にされることを嫌うため、姉ギャル達は皆一様に「私はギャルじゃない」と言い張るのも特徴。

▼モード系姉ギャル(参考ブランド:EGOIST)
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※画像はスクリーンショットです。


▼OL系姉ギャル(参考ブランド:one way)
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※画像はスクリーンショットです。


姫ギャル

露出度低めで、エロさよりも可愛らしさに特化したテイスト。小さめのリボンやフリル使いを多用し、甘めの世界観を表現。厚底靴は履くがピンヒールはあまり履かず、全体に淡い中間色のコーディネートが多い。中高生~大学生に人気の高いファッションジャンル。

行きすぎるとロリータファッションの一派である「姫ロリ」になるので注意が必要。見分けかたとしては「合コンでウケているうちは姫ギャル、引かれ始めたら姫ロリ」

▼姫ギャル(参考ブランド:LIZ LISA)
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※画像はスクリーンショットです。


▼姫ギャル(参考ブランド:Ank Rouge)
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※画像はスクリーンショットです。


▼ 姫ロリ(参考ブランド:BABY, THE STARS SHINE BRIGHT)※非ギャル

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※画像はスクリーンショットです。


パンギャル

ギャルファッションにしばしば見られる要素のひとつとして「ロックテイスト」がある。

スタッズ(鋲)や金属ファスナー、革パンツやライダースジャケット、ゴツめのブーツ、ドクロモチーフなどがそれにあたるが、そこに特化してさらに尖った世界観を表現した一派がパンギャルである。

スタッズはさらに尖ったトゲトゲに進化し、犬の首輪のようなチョーカーや艶のあるエナメルレザー、チェーン使いなどを多用。色は黒が圧倒的に多く、アクセントに白やシルバー。ロックにSM要素が加わったようなイメージが特徴的なファッションだ。

V系(ビジュアル系バンドの衣装のようなスタイル)や、ゴスロリの一派であるゴスパン(ゴシックパンク)と非常に近く、明確な差別化が不可能な場合も。

強いて言えばパンギャルはファッショントレンドをシーズン毎に積極的に取り入れることが多く、価格が比較的高い。一方、V系やゴスパンの特徴は『指出しグローブ/黒や柄のマスク/眼帯/ネクタイ/ニーハイソックス/十字架』等のアイテムが目立つことだと言える。

▼パンギャル(参考ブランド:GLAD NEWS)
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※画像はスクリーンショットです。


▼ゴシックパンク(参考サイト: NIGHTMARE VIVID)※非ギャル
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※画像はスクリーンショットです。


今なお多種多様に進化派生し続けるギャルファッションは、もはや単なる派手さやエロスを売りにする“若気の至りファッション”ではなく、世界に誇れる日本の服文化のひとつと言っても過言ではないだろう。

(文/久保田フランソワ

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