【タモリさんも愛したラーメン】古川橋の老舗「盛運亭」にブレない矜持を見た!
東京、麻布十番と白金エリアの間に、「古川橋」という信号がある。渋谷川に架かる鋼橋をその名の元にするこの場所は、ラーメン好きには、3軒の有名店と共に知られている。
ひとつは、いかにも街の中華屋という外見、店名にも「中華料理」が入る店だが、そのタンメンは日本一との呼び声も高く、またチャーハンもグルメ雑誌の表紙を飾ったほどの完成度を誇る『中華料理 大宝』。
もうひとつは、しゃれた店がまえに店内のBGMはジャズ、という、白金・麻布エリアらしい店舗でありながら、ボリューム感溢れる太麺の汁なし担々麺が名物の『麻布麺房 どらいち』。
そして今回ご紹介する、『盛運亭』である。
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■たたずまいからして風格を感ずる
創業1983年という、年季の入った老舗ならではの佇まいだ。「らーめん」と染め抜かれた、しゃぶれば醤油の味がするんじゃないかと思うくらいにくすんだ色の暖簾をくぐれば、そこには「これぞラーメン屋」という光景が拡がる。
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■昭和というか20世紀というか、独特な店内
店主が大のプロ野球チームファンのため、プロ野球選手の写真やサインが貼ってあるのも、昔の店…という空気を醸し出している。空気に合わせて、ではないが、夕刻の客の8割はサラリーマンではないか。
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■焦げ具合も味である
ビールを頼み、餃子をまずは注文。ちょっと店には似合わないが、銅製のタンブラーがうれしい。餃子をつまみ、ビールを飲み、店内のテレビを見ながら、ラーメンができるのを待つ。サラリーマンの至福の時間がそこにある。立地柄、タクシー運転手の方も多数来店している。ビールを見る彼らの目が少し羨ましそうだ。
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■ラーメンも店構えや店内の雰囲気にマッチ
そして、チャーシューメンが到着。これまた、店に相応しいと言っては失礼かもしれないが、昔ながらの外見。醤油に鶏ガラ、という、スープの味がどこか懐かしい。
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■チャーシューは噛めば噛むほどに…
しかし、よく見る外見のラーメンではあるが、凡百の店との違いはこのチャーシューにこそあるのだ。豚バラ肉をラードとごま油で揚げてから醤油ダレで煮込む、という手間をかけて作られるこのチャーシュー。
そのものの味はもちろんうまいが、だんだんとラーメンにこの脂が溶けこんでくる。調味料を入れなくても、食べている間に深い味わいに変化していくというわけだ。
これぞ半チャーハン、といった顔つき
そのチャーシューの切れ端がふんだんに入った、チャーハンも見逃せない。店主が激しく振る鍋から生まれる、香ばしさにあふれたチャーハンは、老舗の技をのぞかせる。
■愛されていることが伝わる店内だ
創業30年のこの店は、あのタモリさんが長年通い詰める店としても知られ、人気番組『タモリ倶楽部』にもたびたび登場している。タモリさんが『笑っていいとも』を三十年続けたかげには、この店があった…というのは言い過ぎかもしれないが、芸能人が通う店、ということよりも、長年、麻布と白金という、しゃれたエリアの狭間にあって、頑固なまでに老舗ラーメン屋のスタイルを貫くそのことにこそ価値アリ。だからこそ、「老舗」と呼ばれる地位を確立した、とも言えるだろう。
人は迷うもの、ブレるもの。日々の生活の中で、なにかに迷った時に、その変わらぬスタイルに触れるて己を見つめなおすため、訪れたくなる店である、と筆者は感じるのだ。
【盛運亭】
東京都港区南麻布2-7-26
営業時間:月~土、11:00~翌5:00 日、11:00~21:00
(文・写真/しらべぇラーメン取材班・ドラゴン=サン)