万引きがイケナイということをどう教えるか【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

コラム

2015/02/25 11:00

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ワシの息子が3歳頃の話である。その日ワシら家族は、外で朝食を食べようということになり、朝早めに家を出て、息子を保育園に送っていく途中、スターバックスに立ちよった。

ワシらは、サンドイッチやコーヒーなどを買い、テーブルで楽しく会話しながら食べ始めた。そのスタバは、大きめのオシャレな本屋と同じフロアにある店舗で、写真集や絵本もいっぱいあり、息子にとればワクワクするような場所だ。

食べている途中、息子は「ちょっと探検してくる」とテーブルをはなれ、店の中をあちこち歩き回ったり、写真集や絵本を見たりしだした。ワシら夫婦は、別に心配もせず自由にさせていた。

しばらくすると、息子がテーブルに戻ってきたのだが、見ると息子の手に何かが握られている……それは、レジカウンター横に置かれてあるはずのマカロンという菓子だった。もちろん売り物である。

「これ、もらったー」と息子はワシらに言った……確かに、その頃3歳の息子は、いろんな店で「ボク、これあげようか」と、店員さんに何かもらうことが多かった……しかし、いくらなんでもスターバックスで子供に商品をタダでくれることはないだろう……これが、ワシの息子にとって生まれて初めての『万引き』まがいな行為だった。そのとき、ワシは頭の中で思った……

「おお!この瞬間こそが、モノを盗むことはイケナイことだということを教えるグッドタイミングではないか!

……と。瞬間、ワシの頭の中では、いろいろな選択肢が浮かんだ……

息子がやったことを「とりあえず怒る」べきか、

それとも「どれだけイケナイことか言葉で説明する」べきか、

はたまた「お金を持たせ料金を自分で支払いに行かせる」べきか……

どうすれば息子に「モノを盗むことは犯罪である」ということをこの瞬間に自覚させることができるか考えた。結局、ワシは妻と目配せをして、ある方法を選んだ。もちろんこの方法が一番正しいかどうかはわからんが、そのときの会話を以下に書いておく。

ワシ「(妻と目配せをした後、息子にむかって)そうか、もらったのか?」

息子「うん、もらった」

ワシ「だったら母さん、息子と一緒に店員さんとこ行ってお礼を言ってきてくれる?」

「そうね。じゃあ、いこ」

と、妻は息子の手を引いて立ち上がろうとしたが、当然、息子は、行くことを必死になって拒んだので……

ワシ「どうしたんだ?もらったら、お礼を言わなきゃ」

息子「……ほんとうはもらってない……盗った」

ワシ「そうか、盗ったのか」

息子「……うん」

ワシ「そうか……もし、このままお前がこれを食べてしまっていたら、お前は泥棒したということで警察に捕まって、お父さんたちと離ればなれに暮らさなきゃならなくなるんだよ。どうする?」

息子「(真剣な表情で聞いている)……」

ワシ「売っているモノを盗むのは、万引きと言って、犯罪なんだよ。お前がもし捕まって一緒に暮らせなくなったら、父さんと母さんは非常に悲しい」

息子「いやだ!」

ワシ「そうか。だったら、店員さんに自分で返してこい」

マカロンを店員に返し戻ってきた息子は、しばらく黙って朝食の続きをしていたのだが、途中さめざめと涙を流しだし……「お母さん、ごめんね」と声を振り絞るように謝ったのだ。

涙を隠そうとしながらサンドイッチをほおばる息子を見て、思いっきり愛しさを感じながら、ワシは心の中で……

「よしよし。これで息子は万引きをするような人間にはならんぞ!

と確信し、息子の頭をなでてやりましたとさ。これが、不器用ですがワシら夫婦なりの躾の仕方かも知れん。

ちなみに、このときのことが息子の心の中にしっかり残っているのではないだろうかと思わせるエピソードがあるのでお伝えする。


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■シンガポールのお店で売り物を・・・

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Photo by ペウゲオト

それは、息子が小学校4年生になる春休みにシンガポールへ家族で旅行したときのことで、妻から聴いた話なのだが……帰りの日に妻と息子がシンガポールの土産やで買い物した。

息子は、土産やで売っている民芸品の焼き物でできたアクセサリーに興味を持ち、じっくり観察していたらしいのだが、そのアクセサリーをついうっかり床に落としてしまい、割ってしまったらしい。

妻はちょっと遠くからそのことに気づいていたのだが、息子が自分でどうするか確かめようとそのまま様子を見ていたらしい。

すると息子は驚き慌てながらも、そのアクセサリーをすぐに拾い、店員のシンガポール人のおばさんのところに持っていき、拙い英語で一生懸命に説明しながら謝っていたという。

頃合いを見て、妻が息子のところに行くと……店員のおばさんは、息子がほとんど話せない英語で、正直に自分のしたことを説明謝罪していることに感激していたらしく「彼はなんて勇敢なの!」とえらく褒めてくれたらしい。もちろん、その壊れたアクセサリーは妻が買い取ったのだが(笑)

息子の心の中に、スタバでのことが身に付いているのかどうかは知らんし、当たり前の行為だとは思うのだが、その状況で知らん顔をせずに正直に申告した息子の話を妻から聞き、ちょっとホットしたワシでしたとさ。


関連記事:我が息子の喧嘩列伝!!(笑)その2【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

 

■息子を警察署に連行!?

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Photo by ChingHua Chung

本来ならここで、今回の話を終わらせようと思ったのだが、ワシの友人でツワモノがいたのを思い出したので、本人の許可無く書くことにする(笑)

その友人の息子クンが、小学校低学年のとき、お母さんの財布から勝手にお金を持ち出し、駄菓子屋でヒーロー物のシールを大量買いしたらしい。

以前もやったらしく、そのときはただ叱っただけだったという。「2度目の今回でしっかり思い知らせてやらないと息子の将来が心配だ」と思った友人は……

事件が発覚してすぐに、息子クンを抱えて車に放り込み、地元の警察署に無理矢理引っぱり連れて行ったそうだ。

そして、警察署の受付にいたお巡りさんに目配せをして、「こいつはお母さんの財布から金を盗んだので、逮捕して刑務所にいれてやってください」と大きな声で言うと、本気で嫌がり泣きまくる息子クンを警察官の前につきだした。

そのときのお巡りさんは、きっと困ったのだろうが、息子クンを椅子に座らせ、「いかにモノを盗むことがイケナイことか」ということを彼に得々と説いてくれたらしい。

さすがにそれ以降、息子クンはお母さんの財布からお金を持って行かなくなったという……んんん、ちと過激だがあっぱれな行動ではないだろうか。ワシの友人もなかなかのツワモノだが、このお巡りさんも忙しいのに、よくつき合ってくれたとワシゃ思う(笑)

てなわけで、今回は以上!

(文/溜池ゴロー