落語を見たことがある人は47%。半数が未体験の落語の魅力をプレゼンに紐づけて紹介
筆者が昨年はまったものの1つに「落語」があります。キッカケは、しらべぇでコラム連載もしているお笑い芸人・アメリカザリガニの平井さんが、三遊亭歌之介師匠の寄席を聞いて「かなわん。あんなもん反則やで(笑)」と言っていたこと。
「お笑い芸人さんにここまで言わせる三遊亭歌之介師匠の落語を見てみたい!」と思い、独演会に足を運んでみたところ、見事にはまりました。
それからというもの、落語を見るだけでなく桂枝雀師匠の「らくごDE枝雀」という落語本を読んで勉強したり、落語とビジネスを軸にした「【いい時間番外編】落語 x ビジネス そのプレゼンに『まくら』はあるか?」というセミナーに参加したりと幅を広げています。
一度見るとその面白さに魅了されてしまう落語ですが、そもそもどれくらいの人が落語を見たことがあるのでしょうか? まだ見たことがない人も多いと思いアンケートをとってみました。
落語を見たことがある
見たことがある:47%
見たことがない:52%
全体では約半数の方が落語を見たことがある結果となりました。年代別で見てみると、10代は27%、20代は36%と低い結果でしたが、他の年代は50%に近い割合でした。この数字を多いとみるか、少ないと見るかは難しいところですが、記事を読まれている方の半数くらいが落語を見たことがないと仮定すると、もっと多くの方に落語を見て欲しいなと言うのが筆者の気持ち。
とはいえ「落語面白いから見て欲しい」と言って、おいそれと行けるものでもないですよね。普通だとここで寄席の行き方などを紹介すると思うのですが、今回はビジネスパーソンの多いしらべぇ読者が興味を抱きやすいビジネスと絡めて落語の魅力を紹介してみたいと思います。
ビジネスと落語はまったく接点がなさそうに見えますが、ビジネスの中でも話術が重要になる「プレゼン」はどうでしょうか? プレゼンの成功率をグッとあげるには、落語家の「話し方」や演目に入る前の「まくら」を活用すると良いそうです。そう話をされているのは落語家の立川志の春さん。
立川志の春さんは「あなたのプレゼンに『まくら』はあるか?」というビジネス本の著書でもあり、イェール大学を卒業して三井物産に入社した後に落語家になった経歴の持ち主。ビジネスマンも経験した立川志の春さんが、本の中でプレゼンを成功させる秘訣として提案されているのが…
何を話してよいか分からなくなったり沈黙になりがちなプレゼン前のアイスブレイクタイムを、落語の「まくら」を活用することで「相手がこちらに興味を持つ時間」に変えてしまおう
というもの。
この「まくら」という言葉、落語を見たことがない方にはさっぱりだと思うので説明をすると…
まくらとは?
“まくらというのは落語家が落語の演目に入る前に語る導入部分です。落語家はまくらの中で、自分が誰なのかという自己紹介をしながら、定番の小噺(こばなし)を入れてみたり、その時々の時事問題を取り上げたりしながら、スムーズに落語本編に入っていく準備をします。本編をどれだけ輝かせるかという点において、まくらがうまく機能するかが非常に大事になってきます”*著書より抜粋
では、どういう風にアイスブレイクで話せばよいかというと、前提として大事なのは「僕は面白いんですよ!」というアピールではなく、「あなた(達)に興味があることを表す(伝える)こと」と書いてありました。その前提があった上で、どこでも話をしている内容ではなく、特別感を出せるように、「今日来る前にあった話」や、時事ネタ・失敗談などを話すと、取っ付きやすく良いそうです。
本には、ほかにもIT企業を例にとったアイスブレイクの実践編や、落語の「間・リズム・調子」をプレゼンに活かすなど、プレゼンに役立つ要素がたくさん散りばめられています。もちろん、落語の面白さについてもご自身の体験を交えながら語られています。
いきなり落語を見に行くのはハードルが高いと思った方は、ビジネスに役立つ切り口から入ってみるのはいかがでしょうか? 日本の伝統芸能を知るのは社会人の教養としても役立ちますよ。
【調査概要】
方法:アンケートサイト「マインドソナー」
調査期間:2015/01/11 – 2015/01/14
対象:全国10代~50代 男女計559名
(文/しらべぇ編集部・砂流恵介)