東京23区のうち5年間で平均所得が20%以上も下がった2つの区とは?
引越しシーズンの到来とともに「住みたい街」についての話題を目にする機会が多くなってきました。オシャレな街、便利な街、閑静な街…東京の街にはそれぞれ様々なイメージがあると思いますが、どんな人が多く住んでいて、どの街とどの街が似ていて、そこは幾らくらい稼いでいる人に出会える街なのか…?
そんな素朴で下世話な疑問に答えるべく、今回は政府の統計データを使って東京23区を3つにグループ化。気になる所得の推移についても5年分比較し、東京をデータで眺めてみることにしました。
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■所得が最も高い!勝ち組の香り漂う「東京エリートエリア」
社会に出て働ける15歳から64歳までの人口が平均70%を超え、年間所得の平均も高めの場所が集まった一群。これを今回は、「東京エリートエリア」と名付けました。
一人暮らしのお年寄りが平均で9.2%と最も少ないのも特徴で、千代田区・中央区・港区・文京区・品川区・目黒区・世田谷区など、現役世代が豊かに生活する勝ち組の香り漂うグループです。
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■年収400万円以下!3人家族の庶民が暮らす「核家族庶民エリア」
続いて、核家族の比率が平均50.4%と最も高く、さらに核家族の中に65歳以上の人が平均16.4%と最も多く含まれるエリア。墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区・大田区・北区・荒川区・板橋区・練馬区など、住宅地であり下町の香りも漂うこの一群は、所得平均400万円未満と庶民的。
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■住民の58.9%が一人暮らしの「独身貴族エリア」
最後は、15歳未満の人口構成が平均で7.6%と最も低く、一人暮らしの平均が58.9%と最も高くなった新宿区・台東区・渋谷区・中野区・杉並区・豊島区です。この一群は、趣味や仕事、ライフスタイルで住まいを選ぶ「独身貴族エリア」と呼ぶことにします。
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■5年で20%以上も平均所得が下がった目黒区と港区
上の3つのグラフにも2008年から2013年までの所得の推移を付けており、一目瞭然ですが、5年間で最も大きな所得の下落を経験したワースト3区は、目黒区(21.0%減)、港区(20.0%減)、台東区(13.4%減)です。また東京23区のどのエリアにおいても、平均所得はずんずんと下がっています。
また、エリアごとで見るとその落差の傾向は大きく異なっており、「東京エリートエリア」では5年で平均11.4%もの所得減になったのに対し、「核家族庶民エリア」の所得減は平均5.7%にとどまっています。この5年間で、現役世代で働く高所得層が特に景気悪化の直撃を大きく受けたことが読み取れますね。
2014年の所得についての最新統計データはまだ公開されていませんが、少しでも右肩に上がるグラフが見られるよう祈るばかりです。かっこ株式会社のサイトでは、さらに詳細なデータを公開しています。興味のある方はぜひ、そちらもご覧ください。
※調査概要
東京23区の住民の年齢構成と世帯構成を、政府統計データ(総務省『統計でみる市区町村のすがた(2014)』)をもとに3つのグループに分類。納税義務者1人あたりの課税対象所得の政府統計データ(総務省『市町村税課税状況等の調査(1975~2013年)』)をもとに所得の推移を可視化
(文/かっこ株式会社・成田武雄)