エスカレーターは片側を空ける?歩いちゃダメ?「マナー」と「ルール」の難しさ
エスカレーターは、「片側を空けるのがマナー」と思っている人は多いのではないでしょうか。以前、しらべぇが調査したところ、「片側を空けるのは止めるべき」と答えた人は少数派で、24.7%でした。
しかし、本来の「正しい乗り方」は、どうなっているのでしょうか?
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■正しい乗り方は歩かない!?
歩く人のためにと片側を空けるにも「関東では左側」を、「関西では右側」をと違いがあります。世界に目を向けると、イギリス、ドイツ、アメリカなど欧米各国において、大阪と同じく左側をあける都市がほとんど。
このように地域差があるものの、正しい乗り方はどちらでもなく、本来は歩行禁止。そもそもエスカレーターは歩くために設計されておらず、建築基準法の規定で幅を1.1m以内にする定めになっているため、人間2人が歩くには、やや狭いのです。
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■歩行禁止の理由は?
エスカレーターの標準的な勾配は30度で公共の階段よりも急。ステップの高さや奥行きも大きいのでつまずきやすく、歩く人と止まって乗る人の接触事故の危険回避もその理由だそうです。
狭く密集したエスカレーターでは、ひとつの事故が周囲を巻き込んでしまうことも少なくありません。
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■でも、実際みんな歩いてる…
エスカレーターやエレベーターをはじめとする昇降機関連の業界団体である日本エレベーター協会や民営鉄道協会は「エスカレーターでは歩かない」と呼び掛ける共同ポスターを作成するなど、このルールの浸透のために活動中。
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しかし、街に出るとわかるように、この浸透度は高いとは言えません。「歩行者用に片側を空けないとマナー知らずのようで恥ずかしい」「『どけ!』と言われたことがある」といった方も少なくないでしょう。
世間の常識は“歩行あり”。正しいルール=“歩行なし”との認識のズレがあるのは事実。どちらの空気を読むとしても、事故を起こさぬよう気をつけて利用しましょう。
(文/しらべぇ編集部・小林 祐太朗)