フィリピンでマクドナルドを抑え1位に君臨するファストフード店とは?
世界各国でファストフード店シェアナンバーワンを獲っているマクドナルド。私が住むバンコクにも多数出店しているおり、両手を合わせたドナルドはタイだけしか見られないことから、観光客たちの記念撮影スポットになっている。
マクドナルドの安定した品質と味は、異国の食事に慣れない旅人たちの拠り所になっているといって過言ではないだろう。圧倒的な強さを見せているマクドナルドだが、どうしてもシェア1位を獲れない国がある。
フィリピンだ。
フィリピンには自国のファストフードチェーン店『Jolli Bee』が各地に展開。天下のマクドナルドを凌駕し、フィリピン国内シェアナンバーワンを譲らないのである。
Jolli Beeはフィリピン国内に1200店舗以上を有しているだけではなく、ベトナム、アメリカ、香港、クェート、カタール、シンガポール、ブルネイなどにも進出している。
メニューはハンバーガーのセットなどのほか、フィリピン人の好みに合わせたご飯のセットメニューも用意していることが、地元民に愛されている要因の一つなのだろうと感じた。
実際、フィリピンのアンヘレスという街で夜の女の子たちに
「マクドナルドとJolli Beeどっちが好き?」
と聞いてみたところ、ほぼ全員がJolli Beeと回答したことから、根強い人気がうかがえる。
世界に名を馳せるマクドナルドが、黙って2位に甘んじているはずはない。当然、Jolli Beeに追いつき追い越すための、さまざまな攻勢はかけているはずだ。
目に見えてそれが現れているのが、マクドナルドの立地である。Jolli Beeのすぐ近くに出店し、ガチンコ勝負をかけているのだ。
フィリピンに住む日本人に聞いたところ、すぐ隣や向かいにマクドナルドが立地している場合が多いと言う。Jolli Beeの存在はマクドナルドを本気にさせてしまうほどの脅威なのだろう。私も実際にJolli Beeへ行き、「CHAMP BUGERセット」を注文した。
ハンバーガー自体は美味しかったのだが、ドリンクメニューに「コカコーラ」や「ペプシコーラ」が見当たらず、「パイナップルジュース」といったソフトドリンクしか無かったことに驚かされた。
ハンバーガーといえばコーラやスプライトをセットにするのが通例である私にとって、パイナップルジュースとハンバーガーを食べるフィリピン人の感覚は理解できないのだが…。
果たして、今後もJolli Beeは王者であり続けられるのか。
(文・写真/しらべぇ海外支部・西尾康晴)