都会の真ん中、ビルの3階に18時開門の「神社」がある理由とは?
悩みを抱えた時、苦しい時、皆さんはどんな行動をとりますか? 自然などに癒しを求める、誰かに話して慰めてもらう、それでも解決しないなら、ひたすら神にすがる…。そのすべてを叶えてくれる(?)欲張りな場所が、「神々の森神社カフェ」だ。
JR山手線高田馬場駅から徒歩3分。早稲田通りに連なるテナントビルの階段を上ると、鳥居で覆われた参門とおぼしきドアを発見。表札には「神々の森神社カフェ」と「東京セラピーセンター」の2つの名前がある。
ドアを開けると「いらっしゃいませ」と巫女さんが迎えてくれた。
足元は玉砂利のひかれた立派な参道になっている。ここからが神社の境内なのだろう。室内には200年以上の歴史あるご神鏡がごく近距離でそびえている。まず、最初に手を合わせてお参りをしよう。
本殿の左側にあるカフェスペースでお茶をいただく。鎮守の森をイメージしたという小鳥のさえずりが聞こえ、ヒノキの香りが漂う。落ち着いたところで、代表であり神職・占術研究家である北澤礼詞さんにお話をうかがった。
なぜビルの3階に神社を作ったのですか?
「ご縁があって譲り受けた本殿を、昨年の10月に日本海側のあるところから移設しました」
駅から近く、気軽に立ち寄れる。天候に左右されない室内。これら条件を満たす場所を探したら、この地になったそうだ。さらに、近くに神社がなかったことも決断の理由だという。
神々の森大神を祀る“正式な神社”だが、この施設のメインは、次に紹介する占いとセラピーを使って相談者の悩みに応えることだという。
「占いと心理セラピーのマッチングでしょうか。それぞれを分けて考えてはいないので。具体的には神道をベースにした4枚のカードを使う『神事占』という占いセラピーを行います」
占い師と相談者が対話をしながら悩みを探っていき、対話するうちに「自分の本心」に気づくという。占いというよりは心理カウンセリングに近いと感じた。
どんな相談が多いのですか?
「仕事と人間関係の悩みです。みなさん労働時間が長くなり、心への負担がかなり増えているようです」
確かに、残業時間のみならず、PCやスマホが普及したことで、1日24時間仕事に応じなければいけないという状況の人が増えている。いつも着信音を気にしてしまい、心の休まる間がないのかもしれない。
北澤さんも巫女姿の神野栖さんも、産業カウンセラーなどの有資格者である。キャリアプランに悩める者にとっては、占いとカウンセリングを同時に受けられる心強い味方だ。
「訪れる相談者は10代~60代までと幅広く、女性が7割くらい。30代、40代の方が仕事帰りに立ち寄るケースが目立ちます」
女性は誰かに話を聞いてもらうことで癒されて悩みが解決する。対話型のセラピーで悩みの対処法をみつけやすいのだろう。一方男性は、悩むとひとりになって落ち着く場所に行くという。話し相手を求めない男性のほうが、癒しを必要としているのかもしれない。
「占いなど縁がない」という人も、悩んだ時の落ち着き場所のひとつに“神社カフェ”を加えてみては?
※取材協力:占いヒーリングカフェ×神社 神々の森神社
住所:東京都新宿区高田馬場4‐13‐12 伊豆栄ビル3F
電話:070‐6469‐7242 開門日時:火・木・土18:00~23:00(22:00受付終了)
入場料金500円(お茶・お菓子付)、占いセラピー5000円など
(文/しらべぇ編集部・anna)