【元ライダーが告白】あんなに好きと言ったのに…私たちがバイクを手放した理由

2015/03/22 09:00


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いよいよ春到来。バイクが趣味の方にとっては待望のツーリングの季節がやってきました。風を切って走るバイクの心地よさは、ドライブとはまた違った魅力を放っており、最近ではツーリングスポットで女性ライダーを見かけることも珍しくありません。

ところが、その一方でバイクを一度購入したものの、経済的事情以外でそれを手放したという人がいます。彼らはなぜバイクを手放したのでしょうか。ツーリングのこの季節にバイクを手放した人のエピソードをご紹介します。


■「人を選ぶ趣味だったと思います」中山さん(30才・男性・ライター)

 ―なぜバイクを手放したのですか?

仕事と相性が合わなかったからです。ライターの仕事は土日関係なく打ち合わせが入ることが珍しくなく、また急に原稿を書く機会も珍しくありません。そのため、ツーリングなどで半日~一日まるまる確保できる機会はとても少なく、仕事柄バイクに乗っている時間をつくることができませんでした。

 ―どうすれば再びバイクに乗ると思いますか?

仕事に余裕ができたときか別の仕事に就いたときでしょうか。現実的なのは前者で、自分が独立して時間に余裕を持てるようになれば、経済的にもゆとりができます。大型バイクを買い直して遠方へツーリングに出かけたいですね。

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■「バンコクで見たバイクの風景に憧れたけど…」遠藤さん(25才・女性・自動車メーカー)

 ーなぜバイクを手放したのですか?

不便すぎるからです。いま東京都心部に住んでいるのですが、駐輪場がなかなか見つからないし、一方通行が多かったりと、東京はバイクのメリットを活かせる場所ではなかったからです。

 ーそもそもバイクに乗ったきっかけは?

学生時代に旅行したタイ・バンコクの風景に憧れたことがきっかけでした。バンコク市内では道路をバイクが占拠していて、みんな自由に2~4人乗りをしている。その姿を見て「なんて便利な乗り物なんだろう!」と感動して、その姿に憧れて帰国後すぐに免許を取り始めました。

 ーところが、事情は違ったと、?

はい。駐輪場が見つからないし、検索するのも面倒だし。家の近くの月極駐車場も1万円で新卒2年目の私にとっては痛い出費でした。結局、乗る時間はあったけれども、乗ったあとの面倒さと付き合えず売却に至りました。都心部がもっとバイクに乗りやすい環境だったらまた違っていたと思います

2人の言葉は、我が国のバイク市場が伸び悩む原因を教唆していると言えるでしょう。

ライターの中山さんが語るように、柔軟な雇用環境下で働く人は、趣味においても良くも悪くもフレキシブルな時間の使い方をします。最低でも半日は時間を確保する必要があるバイク趣味は、彼の仕事とはあまり相性が良くなかったのかもしれません。

また、遠藤さんのように、バイクに乗り始めてからその不便さに気づくケースも少なくないでしょう。特に都心部では駐輪場探しに苦労するライダーが珍しくありません。原付自転車ならば気軽に駐輪場所を探せますが、中型~大型バイクになると、それは困難を極めます。

バイク趣味が都市生活者との相性が悪いと考えられる理由は、「場所」の不便さに加え駐輪場などのランニングコストの高さも含まれるでしょう。一大消費地であるにもかかわらず、都市部がバイクに乗りにくい環境にある現状は、市場にとって不幸と言わざるを得ません。2人のようなケースを減らすべく、市場は今後新たな方策を模索する必要があるかもしれません。

(文/しらべぇ編集部

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