取り壊し直前!風景から取引方法まで…懐かしき沖縄の昭和が残る「農連市場」

沖縄の那覇市内に、早朝3時頃から活気づく市場が存在する。その名は「農連市場」。ここは午前中でクローズする店が多く、昼時に行くと既に場内はシーンと静まり返っているのだ。

大量の地場産野菜や果物、沖縄惣菜や沖縄菓子などを販売。早朝から営業している食堂や天ぷら屋、午前8時頃には完売する弁当屋など、沖縄らしい光景が見られる「おもしろスポット」でもある。

60年以上の歴史を持つそんな「農連市場」だが、老朽化などの理由により2015年から大規模な再開発が始まり、今年8月からスタートする解体工事で取り壊される。古き良き昭和時代の市場が、新たな市場として生まれ変わるのだ。

今回は、今しか見学できないおもしろスポット「農連市場」の今を、「那覇まちま~い」の専門ガイドに聞いた歴史の話とともに紹介していこう。


 

●農連市場の歴史…画期的な宣伝方法とは?

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1953年(昭和28年)に琉球農業協同組合連合会として発足。昭和30年代に開発された三輪トラックを利用し、その荷台に野菜を載積して県内を巡回するという、当時では画期的な宣伝方法が功を成して口コミで広がり、「農家の聖地」として沖縄イチ有名な市場となった。

この市場の特徴は、「相対(あいたい)売り」という売り手と買い手が金額の相場を話し合いながら取引する売買方法である。1972年から「せり売形式」へと変わったが、現在も相対売りの名残があり、野菜や果物などに金額表示はされていない。


 

●半端じゃない売買量!

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レタスが約10個、胡瓜なら約20本など、ビニール袋に半端ない量の野菜が入って販売されている。一般人でも購入できるが、主に飲食店や仕出し屋などの業者が買い付けに来る市場のため、このような事態となっている。

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地べたでの自主運営店舗は、1日の地代が300~400円ほど。年配者の売り手が多い農連市場ならではの格安料金だ。

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沖縄では、もやしのひげ根を取るのが定番。機械を使ってひげ根を取ったもやしがキロ単位で販売され、この紙袋には5kg分のもやしが入っている。


●場内の狭い路地を通り抜けるバイク

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歩道並みの細い通路を徐行しながら走行するバイクに幾度も遭遇したかと思えば、今度はあらゆる場所にキャベツを乗せた原付バイクのオジーなど、ここでは沖縄の珍百景が繰り広げられていた。

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●別名「仏壇通り」とは!?

農連市場の近くには、別名「仏壇通り」と呼ばれる開南本通りがある。なぜそう呼ばれるのか。薄々お気付きかもしれないが、仏壇屋が立ち並ぶ通り(!)なのである。

ちなみに沖縄方言では、仏壇に手を合わせて拝むことを「うーとーとー」という。


●不思議な飲み物を販売する自動販売機

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驚きの低価格で販売する自動販売機は、不思議な飲み物を販売していた。

「甘い物色々出ます」は60円。
「コーヒー色々出ます」は60円。
「お茶色々出ます」はなんと50円。

そして、このクエスチョンマークの飲み物は一体何なのか? 確認すべく「甘い物色々出ます」を購入してみた。飲んでみると確かに甘い。それは、普通のUCCのレモンティーであった…

2016年、那覇市の農連市場は3階建ての商業店舗棟へと生まれ変わる。総事業費176億円をかけて再開発される総面積3.1ヘクタールの敷地内には、19階建てのマンションや那覇市営住宅、保育所などが入り、2018年12月に完成予定だ。

昭和の懐かしい空気と沖縄らしさを残すディープで面白い農連市場。解体作業が始まる前の今、ぜひオススメしたいスポットである。

(文/しらべぇ沖縄支部・miya‐nee

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