【新卒社員】「えっ!大黒摩季知らないの?」世代間分断煽る先輩に新人は何を想う?
新年度が迫ってきました。4月に新入社員を迎え入れる企業も少なくないでしょう。入社される学生の方は、学生時代と比べ幅広い年齢の人同士が接するオフィスに新鮮さを感じることでしょう。
画像をもっと見る■いまの若い人は…
幅広い世代の人たちが集う場における「古くて新しい問題」と言われるのが世代間分断です。上司や先輩が若い頃にハマったアニメやマンガ、アーティストを新人が知らないことに対して「そんなことも知らないのか!」と驚く姿。一度目にしたことのある方も少なくないでしょう。
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■2014年新卒入社Tくん(23才・男性)のケース
世代的分断に対して当事者である新人たちはどのような心境を抱いていたのでしょうか。話を聞いたのは地方国立大学を卒業後、大手家電メーカーの営業職に就いたTくんです。
-「いまの新人はこんなことも知らないのか!」と言われたことはありますか?
あります。興味深いのはそれを言われる年齢です。40代以上の「おじさん」と言ってもよい上司からはそういったセリフは聞かないのですが、少し年上の30才前後の先輩からよく言われました。
-具体的にはどのようなことを言われましたか?
昨年、30才の先輩数人とカラオケに行ったときに、一人が大黒摩季さんという方の曲を歌っていたんです。それで「この人って有名ですか?」と軽い気持ちで尋ねたら「えっ!大黒摩季知らないの?」と、その場で大半を占めていた30才前後の先輩たちが驚き始めて。
-そのあとは?
「じゃあDEENも知らない?」など立て続けにきかれました。たしかドラゴンボールの主題歌で歌っていた歌手の名前を挙げられて全てに「知らない」と答えていたら「やっぱ今の若い子は知らないのか~」と嬉しそうに先輩同士で連帯感を強めていましたね。本当に居心地の悪い空間でした。
-結局、最後まで不快な気分だった?
いえ。それで僕は単に彼らは自分が10代のころに聞いていた歌手の話をしているだけだと思ったので自分たちが10代のころにハマっていた歌手を知っているか逆に聞いてみたんです。そしたらほとんどの人が知らない。結局、自分が若い頃の音楽しかカラオケで歌えないというだけだったのだと思います。
以前、本サイトでは「懐メロ」しか歌えない大人たちの実態を調査したことがあります。調査結果によると、カラオケで懐メロばかり歌う人は、懐メロが好きというよりもむしろ、積極的に音楽を聴いていた10代のころ以外の曲を知らないから懐メロを歌う、ということが明らかになりました。世代間の分断を煽る言質は、年齢を重ねると共に流行に鈍感になっていく大人たちの姿の反映なのかもしれません。
(文/しらべぇ編集部)