ホームレスになった芸人…家を失い嫁を手に入れ痛風に!? キンコン西野の愛のムチ
こんにちは、双子でタレント活動をしています、奈津子と亜希子です。上の写真にうつるのは、小谷真理(まこと)さんという方です。
小谷さんは、以前はよしもとクリエイティブエージェンシーに所属していた芸人さんでしたが、現在はなんと“ホームレス”として、Twitter等のSNSを利用して「1日を50円で売り」ながら生計をたて、さらにTwitterのフォロワーだった女性と結婚して役者としてドラマにも出演しはじめたという、なかなかの強者です。
画像をもっと見る■キングコング西野さんとの出会い
小谷さんは現在31歳。大阪を中心に10年ほど芸人として活動していましたが、月1~2回のお笑いライブしかない日々が続き、心機一転、今から2年ほど前に東京進出することを決意したそうです。
思いきってよしもとクリエイティブエージェンシーも辞め、新たな事務所を探しながら芸人として再出発をすることに。その際、たまたま仕事で大阪にきていた先輩のキングコング・西野亮廣さんが月4万円の家賃で居候させてくれることになり、期待に胸を膨らませながら上京。
「絶対に滞納しないこと」を約束に居候生活をスタートさせました。
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■「俺、家なくなってん…」
しかし、初めての東京生活に心が踊り貯金を使い果たした小谷さんは、2カ月連続で家賃を滞納してしまったそうです。丸坊主にして必死で土下座をした小谷さんでしたが、西野さんは「そういうことじゃないでしょう」と愛あるムチで居候を打ち切りに。
さらに、「ホームレスになったほうがうまくいくよ」と提案され、その日からホームレスに。あまり実感のわかないまま同期のジャルジャルさんのライブを観に行き、そのまま仲間内で一緒に焼き肉を食べに行くことになり、その際「俺、家なくなってん…」と言ったものの、どこか冗談めかした口調になってしまい、当時は周囲もそこまでは真剣に捉えなかったそうです。
しかし、この夜から小谷さんの孤独な路上生活が始まります。
一人きりでいることの心細さと、西野さんから「全部を記録に残したほうがいい」と言われたこともあり、TwitterやFacebookを立ち上げて生活状況を外部へ向けて実況中継や報告するようになり、それから少しずつTwitterのフォロワーさんと連絡を取り合うようになっていったそうです。
ホームレス歴3年目に突入した小谷さんが、現在に至るまでどのように生き抜いてきたのか、インタビューしてみました。
― 今日までどのように生き抜いてきたのですか?
「キングコング西野さんをはじめとして、様々な周囲の方々の助けがあって今に至ります。アルバイトの面接は受けてもことごとく落ちてしまいましたが、路上生活をはじめたあたりから『とにかく何かしなくては』と思って、自分の1日をTwitterのフォロワーやFacebookの友達などに50円で売る“なんでも屋”を開始しました。
いまでは少しずつですが依頼者の皆様との繋がりが増えていき、夜はそのまま泊めていただいたり、食事をいただいたりするようになりました。ご厚意で美味しいものをごちそうしていただき続けた結果、なんと痛風になりました。
最近では地方からの依頼で出張することもありますし、8月ぐらいまでスケジュールが埋まってます。料金を50円に設定したのは、お金目的ではなく人との繋がりを作るほうが良いと西野さんからのアドバイスがあったからです」
― どのような依頼内容なのですか?
「ご家庭の草むしりや、行列に並んだり、デッサンのヌードモデルもしましたね。男女の修羅場の席で依頼者の元カレの役を演じたこともありますよ。このあいだは、京都で1日バーテンをしてきました。
ちなみに、依頼者は主にSNSで知り合った人が大半ですが、自分自身でも驚いたことに、そのうちの1人の女性と結婚しました。
嫁さんのためにもどうしても結婚式があげたかったので、西野さんがすすめてくれたクラウドファウンディングで協力者を募った結果、ありがたいことに3週間で約170万円が集まり、“花やしき”を貸し切りにして式をあげることができました」
― それは素晴らしいですね!
「100万円の黒字まで出たので、そのお金は人様のために使いたいと思い、台風の被害があったフィリピンへ行き、NGOの方々と一緒に現地の子供たちへ日本のお祭りを教えるボランティアをしました」
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■いまがイチバン楽しい
「ときどき、ネタでホームレスをやっているんじゃないかと言われることがあるんですけど、僕は楽しいからやっています。楽しむ事が全てです!この生活はネタではできません。将来的に住居を構えることがないのか、ということもよく聞かれますが、今は【地球全部が家】だと思っています。嫁さんとは離れて生活していますが、とても仲良しです。
芸人時代の僕は、とにかく頑固で、人の意見もろくに聞かずに周囲にも嫌われていたと思います。でも今は、周囲の人々に支えられてこそ今の自分がいると心から思うし、必要としてくれる人がいることのありがたみを実感しています。
他人を否定したり決めつけたりせず、何事もやってみて、うまくいったらラッキー、失敗しちゃったら笑い飛ばそうと思うようになりました。大変なことがあっても、『ピンチ!』と叫び色んな人に助けを求めながら全部を楽しんで生きていきたい。いまがイチバン楽しいです」
年末には主催者として音楽ライブ「天才万博」を開催し、また近日中に自伝本も発売されるという小谷さん。その人柄の良さは、インタビューをしている最中もじわじわと伝わってきました。
流れに身をまかせ、その先に幸せを見いだした小谷さん。その生き方に、今後も注目していきたいと思います。
(文/奈津子・亜希子)