【法律コラム】ライターやブロガーは知ってるはず?  炎上させないためのルール

2015/04/09 07:00

しらべぇ0408炎上 画像はスクリーンショットです

先日、人気YouTuberのH氏が、第三者の作成した画像を、H氏自身の動画に無断でアップしたことで、炎上騒ぎが巻き起こり、H氏が動画を削除するとともに、謝罪をしたというニュースがありましたね。

有名人だからこそひとつひとつのアクションに注目が集まり、今回のような騒動になったという一面は確かにあります。でも、今の時代、「著作権」や引用のルールを知らないで投稿したりすると、その投稿は一気に世界中の人に拡散する時代。


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■みんな炎上するリスクはある

みなさんの投稿が一瞬で炎上する可能性だってあるんですよ。

今回は、みなさんの「著作権」に関する意識を調査するとともに、みなさんに知っていただきたい「炎上させないで正しく引用するための基本中の基本」を、法的な観点からお話していきたいと思います。

そこで、まず、マインドソナーを使ってアンケートを実施してみました。

Q.ブログやSNSの投稿で、他人の画像や発言を引用したり、使ったことはありますか?

しらべぇ0408炎上1

あれ、意外に少ないですね(汗)。となると、当然ながら、さすがに炎上させた経験をお持ちの方はもっと少ないのでしょう。とは言っても、「著作権」などをふまえた「投稿のルール」を意識し、注意している方はそれほど多くないのが実情だと思います。

でも大丈夫です!! これまであまり意識してこなかった「あなた」のために、筆者が投稿のルールの基本をわかりやすくお伝えしていきますよ。


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■「創作性」のあるものが「著作物」になる

しらべぇ0407炎上3©iStock.com/TonyTaylorStock 

そもそも利用しようとしている対象が、「著作物」でなければ、著作権法上の問題は生じません。

そして、著作物とは、著作権法2条1項1号で,

「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

とされています。

簡単に言えば、「創作的」というのは、作者の個性が現れていればよく、厳密な意味での独創性までは必要ありません。


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■「写真」は「著作物」?

しらべぇ0408炎上4©iStock.com/andreusK 

「写真」で考えてみましょう。「著作物」に当たるかどうかは、撮影者がプロか素人かでは決まりません。

たとえば、名画を写真複製した場合、そこに撮影者の個性が現れていないため、その写真に名画とは別の新たな著作権は認められません。

一方、素人撮影の一見どこにでもありそうな風景写真でも、被写体の選定、構図、撮影時刻、露光、陰影、レンズの選択などにより、撮影者の個性が写真に現れていれば「著作物」になりますから、SNSなどで投稿する際にも、無断使用してはいけないのが原則です。


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■SNSやホームページでの使用は「私的使用」にならない

しらべぇ0408炎上5©iStock.com/rzoze19 

著作権法は、一定の場合に著作権者に許諾を得ることなく著作物を利用できることを定めています。そのうちの一つが「私的使用のための複製」(著作権法30条)の場合です。

でも、SNSやブログに個人的な事を書いていたとしても、インターネットによる情報発信は世界中への情報発信ですので、「私的使用」に該当しません。要注意!!


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■あなたの投稿は大丈夫? 法的に問題のない「引用」方法とは

また、適法な「引用」(著作権法32条)の場合であれば、著作権者に許諾を得ることなく著作物を利用できます。

「引用」と認められるには、以下のことが必要とされています。

①引用の必然性があること

②自分の著作物と引用部分が区別されていること

③自分の著作物が主体であること

④「出所の明示」がされていること

公表されている画像や写真を自分のSNSなどで引用する際には、「出所の明示」(著作権法48条)といって、その画像や写真の出典を自分自身の投稿で明示する必要があります。

FacebookやTwitterでは仕組的に出所を明示しやすいので、それほど問題にはならないかもしれません。でも、ブログやホームページに掲載する場合などには、専門家である筆者が見て「これは問題あるのでは…」と思うことがよくあります(汗)。

大きなトラブルに発展する可能性もあるので、注意が必要です。


■終わりに

言われれば「当たり前では?」って思った方も多いかと思います。

画像や写真を投稿する楽しさを、ルール違反がもとで台無しにしないように、きちんとルールを理解し、「誰かが見ているんだ」ということを忘れないで下さいね。

(文/弁護士・佐藤大和

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