【就活シーズン到来】新興国でも甘くない!経済成長を続ける国の就活事情は?
今年も就職活動が本格的に始まり、リクルートスーツを着た若者の姿が目立つようになりました。
いわゆる「就職氷河期」は過ぎ去ったと言われるものの、いまだに厳しい就活事情に悩み苦しむ学生も少なくありません。
それでは、経済の成長が著しい新興国では、どのような就職活動が展開されているのでしょうか。東南アジアの新興国のひとつ、インドネシアでその現状を調査しました。
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■「人口は増えても仕事は増えない」
インドネシアの若者にその就活事情を聞いてみると、口を揃えて答えるのが「人は増えても仕事は一向に増えない」とのこと。その他にも、以下のようなインドネシアの就活事情を物語る声が聞かれました。
「就職はインドネシアも甘くない。ただ、インドネシア人の多くはのんびりしているから、大学を卒業してから慌てて就活を始める」
「大学を卒業した人はまだしも、卒業していない人の就職はさらに厳しい」
「外資系の企業が多く、英語など外国語が話せないと厳しい」
「物価が上がり続けるのに、仕事は見つからないし給料は上がらない」
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■では、就職できない人はどうするのか?
就職は厳しいという声もありましたが、IMFによるとインドネシアの実際の失業率は6.10%。(2014年)日本の3.58%に比べても、とりたてて高いわけではありません。
それでは、人々はどのように仕事を見つけているのでしょうか。
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■サービス業では店員が客の数を上回ることも
まず挙げられるのがサービス業の仕事。上の写真でも5人ばかりの赤いTシャツを着た店員が収まっているように、ショッピングモールでは、多くの店員が働いています。
その数は過剰とも思えるほどで、店員の数がお客さんの数を上回ることもしばしば。手を持て余した店員は、何度も洋服を畳み直したり集まっておしゃべりをしたりする店員も少なくありません。
人員の過剰供給とも言えますが、若者の働く機会となっているようです。
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■露天商になる若者も多い
また、露天商を営む人も多くいます。街を歩けば、いわゆる屋台街があり、その中には「ナンバープレート販売所」に、「携帯のプリペイド販売所」など、「どれだけお客さんが来るのであろうか」というようなニッチなお店も。
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■自主的に仕事を創り出す人も
信号が少ないインドネシアでは、交差点でトラブルも少なくありません。そこで、自ら交差点に立ち交通整理をして、行きかう人からチップをもらう人たちがいます。
勝手に交通整備をして金儲けをする彼らを「pak ogah(嫌なおじいさん)」という声もありますが、彼らは少ないチップで生計を立てているのです。
また、レストランやコンビニ前の駐車場係も同様。彼らはその店舗の店員ではありませんが、お客さんの車やバイクの駐車をサポートしたり、買い物中の見張りをしたりすることでチップを得ています。
このような光景は、インドネシアのほかにも、ベトナムなど東南アジア諸国で見られます。厳しい就職環境の中で、何とか生活を立てようと仕事をしているようです。
経済の成長が著しくても、就職という厳しいとう現実。どこの国も働くということは甘くないようです。
(文/しらべぇ編集部・じゅんぺい)