5年間限定!スーパー戦隊主題歌の「英語バージョン」って?【出口博之のロック特撮】
こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。
最近はありがたいことにDJとして毎週イベントに呼んでいただいて、クラブで特撮の楽曲をかけています。
会場にいる出演者、お客さんのほとんどが特撮を通ってきているので、どの現場も大いに盛り上がっております。人気の曲はもちろんですが、隠れた名曲がかかった瞬間の熱量の上がり方は筆舌に尽くしがたい気持ちです。
とくに「スーパー戦隊の主題歌の英語バージョン」は、他の現場ではあまりかからないので、曲を知っている方の盛り上がりがとてもいい!
今回は5年間しか作られなかった「知っているけど知らない名曲」、スーパー戦隊の主題歌より、英語バージョンをご紹介します。
画像をもっと見る
■主題歌英語バージョンは「アレンジの教科書」
最初に英語バージョンが作られたのは激走戦隊カーレンジャー(1996年放映)から。英語バージョン(以下英語Ver.)のタイトルが「CARRANGER THE UNSTOPPABLE」。激走戦隊カーレンジャーという原曲タイトルを、うまく訳しています。
しかし、ボーカルが高山成孝さんからMickeyという女性に変わっているので、全体の印象が一変します。曲の導入も、原曲にはないラップが入っているので、多くの方が「ん?」となり、Aメロに入ると「あー!」という反応が返ってきます。
歌いたいけど英語で歌えないモヤモヤした気持ちは、楽曲最後の「GEKISO SENTAI CARRANGER(激走戦隊カーレンジャー)!」の締めフレーズで解消される。これが英語Ver.の楽しみ方です。
続いては電磁戦隊メガレンジャー(1997年放映)の英語Ver.です。
原曲では初音ミクでおなじみの「VOCALOID2」の前身ソフトである「KAITO」の音声も担当されている風雅なおとさんですが、こちらの英語Ver.もMickeyさんが歌っています。
女性ボーカルに変わっているので原曲よりもキーが下げられ、それに併せテンポも若干遅めに。Mickeyさんの高音の伸びやかなボーカルは、風雅なおとさんの爽やかで力強いボーカルとは違った魅力があります。
ここまで2曲の英語Ver.はボーカルが男性から女性に変わるパターンですが、次に紹介する救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999年放映)もそのパターン。
原曲は平成の特撮曲、アニソンには欠かせない歌手の石原慎一さん、英語Ver.は3度登場のMickeyさん。芯が太く高音の伸びが特徴的なMickeyさんですが、「神崎まき」というお名前でも活動されているシンガーソングライター。
アニメ「ツヨシしっかりしなさい」のED曲「GOOD DAY I・N・G」といえば、おわかりいただける方もいらっしゃるかと。その他、宇多田ヒカルさんや平井堅さんのバックコーラスも担当されている方なのです。
男性には出せない伸びやかな高音は必聴!
関連記事:ヒーローの活躍の裏にこの人あり!特撮界の名俳優列伝【出口博之のロック特撮】
■この人はもしや…信じるか信じないかはあなた次第
ボーカルが男性から女性に変わる曲を紹介しましたが、次の星獣戦隊ギンガマン(1998年放映)は、原曲と同じアレンジで、歌手も同じ希砂未竜(きさみ りゅう)さんが担当。
希砂未竜さんは今作以外では一切世に出ていないという、不思議な経歴を持っていますが、英語Ver.を聴くと原曲に比べ歌い回しに独特の味が非常に現れています。
しゃくり上げるような特徴的なシャウト、これは1993年に引退された昭和特撮、アニソン、歌謡曲界の重要人物、子門真人(しもんまさと)さんに限りなく近いものです。
一切の経歴が不明な希砂未竜さんと、既に引退されている子門真人さん。2人が同一人物ではないか、信じるか信じないかは、実際にご自身の耳で確かめてください。
英語Ver.はもう1曲、時空戦隊タイムレンジャー(2000年放映)主題歌がありますが、この曲は原曲にも英語がふんだんに取り入れられているので、今回の主旨によりこちらをご紹介しました。
関連記事:ヒーローも怪獣も出ない「大人の特撮」とは?『怪奇大作戦』考察【出口博之のロック特撮】
■英語バージョンが5年間だけ作られたワケ
なぜ5年間しか作られなかったのか。これはあくまで予想ですが、スーパー戦隊は1990年初頭から海外での展開が拡大していきます。海外展開の最初期に、試験的に5年間だけ主題歌英語Ver.が作られたのではないでしょうか。
聴き慣れた楽曲を違う角度で楽しめる「知っているけど知らない名曲」として、今後の復活に期待です。
関連記事:特撮曲オンリーのクラブイベントにDJとして出演してみた【出口博之のロック特撮】
■本日も22時〜生放送!
そして、本日夜22時からは【ロック特撮 番外編】、第3回目「ヒーロー復活、ウルトラマン超闘士激伝を語る」をUSTREAMチャンネルSTOLABO TOKYOからお送り致します。こちらもお見逃しなく!
(文/MONOBRIGHT・出口博之)