引退後も重要な戦力! プロ野球の海外スカウトは懐かし助っ人のオンパレード

2015/05/05 11:00

プロ野球も開幕して1か月がたった。優勝候補と見られた球団の失速や意外な選手の活躍など今季も驚きに満ちているが、チーム浮上のきっかけを担う大きな要因のひとつが「外国人助っ人の出来」だ。そこで大事となるのが、「人材の目利き」を担う各球団の海外スカウトの能力。実はこの海外スカウトには、かつて日本球界でプレーした選手が多い。


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■阪神タイガース

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伝統の球団で駐米スカウトを担うのは広島、阪神でプレーし、3度のゴールデングラブ賞に輝いたアンディ・シーツ氏。

2007年に「愛する阪神以外ではプレーする気はない」と現役を退いたシーツ氏は、2009年にその愛する阪神の駐米スカウトに就任。すると翌年には同氏の強い推薦によりマット・マートンを獲得。マートンは現在までに首位打者1回、最多安打3回のタイトルを獲得と大活躍。

また昨年打点王に輝いたマウロ・ゴメスの獲得もシーツ氏の推薦と、阪神のために多いに活躍している。


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もうひとり2011年に国際スカウトに就任したのが藤川球児、久保田智之とともに「JFK」の一角を担ったジェフ・ウィリアムス氏。

阪神は2014年のクライマックスシリーズをマートン、ゴメスらの外国人の力もあり勝ち抜いており、シーズン後、阪神・坂井信也オーナーも「シーツやウィリアムスがよく動いてくれています」とその手腕を評価。しばらくはこの2人が海外スカウトを担いそうだ。


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■読売ジャイアンツ

阪神と同じく伝統の球団である巨人だが、ライバルとは対照的に駐米スカウトは所属選手ではなく、いわゆる外様。もともと各球団から主力を引き抜いてきた常勝軍団にとっては、外様は特に気にしないのだろう。

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外国人スカウトの一人は広島、ロッテで活躍し2001年には最優秀防御率にも輝いたネイサン・ミンチー氏で2009年から国際スカウトに就任している。もうひとりはオリックス、日本ハム、楽天と渡り歩き、最強のスイッチヒッターとも言われたフェルナンド・セギノール氏。こちらは2011年から就任している。

マシソン、アンダーソンなど当たりもある一方、アコスタ、メンドーサなど外れも多い巨人助っ人陣。当たりだったはずのロペスがDeNAで打棒爆発という皮肉を見せているが、先日獲得したホアン・フランシスコの出来はいかに。

ちなみに巨人生え抜きで、メッツでのプレー経験もある柏田貴史氏も一時国際スカウトを務めていたが、その後国内スカウトとなっている。


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■福岡ソフトバンクホークス

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昨シーズン日本一に輝いたソフトバンクで駐米スカウトを務めるのはリー・タネル氏。1991~93年まで福岡ダイエーホークスに所属した投手で、91年に6勝したことが最高成績と地味な選手ではあったが、メジャーに戻った後にダイエー、ソフトバンクの駐米スカウトを務めている。

もうひとりは2010年から駐米スカウトを務めるケント・ブラッシングゲーム氏。ケント氏本人は日本でのプレー経験はないが、父親の名前を聞くとピンと来た往年の野球ファンも少なくないはず。現役時代に南海ホークスで活躍し、引退後は阪神、南海の監督を務めた「ブレイザー」ことドン・ブラッシンゲーム氏(2005年没)だ。

メジャー時代に頭脳プレーや小技を得意としたブレイザーは、南海移籍後に当時チームメートであった野村克也に“考える野球”を伝え、野村氏も「自分のID野球の原点はブレイザーにある」と語るほど。球団名は代われど南海の血がいまだソフトバンクに残っていることは野球ファンとしてもうれしくなる。

ちなみに南海在籍経験のある最後の選手で「福岡の宅麻伸」と一部で呼ばれた大道典良は、現在ソフトバンクの1軍打撃コーチを務めており、血は脈々と流れている。

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■広島東洋カープ

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カープには12球団一といわれる名スカウトがいる。日本ハムでは抑えを務め、その後広島に移籍したエリック・シュールストロム氏だ。

2003年から広島の駐米スカウトを務めているが、主な獲得選手を挙げると、シーツ、グレッグ・ラロッカ(最多出塁率)、ジョン・ベイル(先発で11勝、翌年は抑えとして24セーブ)、コルビー・ルイス(現テキサス・レンジャース、最多奪三振2回)、デニス・サファテ(現ソフトバンク、抑えとして35セーブ)、ブライアン・バリントン(現オリックス、先発として13勝)、キャム・ミコライオ(現楽天、抑えとして27セーブ)、ブラッド・エルドレッド(本塁打王)…。

いかに優秀かは一目瞭然。その目利き力、いつしかファンの間では「安心のシュール便」と呼ばれるまでになった。

2010年からは西武、広島で活躍したスコット・マクレーン氏も駐米スカウトに就任。一昨年、昨年の広島のクライマックスシリーズ進出を支えたのはこの2人といっていい。

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特にシュールストロム氏の選ぶ選手は能力もさることながら、日本への順応力も高い。前述に挙げた選手たちは広島以外の球団に移籍後も活躍している。シーツは先ほど述べたように阪神の駐米スカウト、ラロッカもオリックスの駐米スカウトも務めている。

いまや自身が他球団からスカウトの声が上がるほどの評価を得ているシュールストロム氏。正直なところ現役時代はそこそこの選手だっただけに、引退後の覚醒はなんとも面白い。

そんなシュールストロム氏が今シーズン広島に加入した助っ人で一番期待しているのが左腕クリス・ジョンソン投手。ここまで5試合に投げ、2勝0敗、防御率1.00と期待通り抜群の成績を挙げている。恐るべしシュールストロム氏の眼力!

(文/しらべぇ編集部

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