【人気急騰の3つの理由】矢木沢・奈良俣ダムの観光放流が今年も5/17に実施!
2015/05/05 12:00
全国1000万人のダムファンが待ち望む、1年にたった1日催されるイベントを、皆さんはご存知だろうか。群馬県にある矢木沢ダムと奈良俣ダムというふたつのダムが、毎年5月~6月ごろのある日曜日にそろって、点検放流を行うのだ。
その人気は年々高まり、昨年の同イベントでは推定1000人の観光客と、記者が確認しただけでも2つのテレビ局による取材が入っていたほどだ。
そして今年は、5月17日に行われることが、独立行政法人水資源機構のホームページで発表された。
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■なぜ両ダムの放流は人気なのか?
ダムの魅力はたくさんあるが、わかりやすいのはやはり放流である。その中でもこの2つのダムの放流が高い人気を誇っているのには、3つの理由がある。
① 予定がたてやすい「放流日予告」
ダムの放流はいくつかの目的のために実施されるが、前もって告知されるケースはそれほど多くはない。有名なところでは、黒部ダム(富山県)や宮ヶ瀬ダム(神奈川県)などが「観光放流」といって、観光客にみせることを目的とした放流を行っているが、たいていの放流は水量調整やかんがいを目的としており、予告が行われることは少ない(あっても直前であることが多い)。
その点、矢木沢・奈良俣の両ダムの放流は、1ヶ月程度前から予告されるので、いそがしい人も予定が立てやすく、良心的である。
② 1日で2つのダム放流が観られるぜいたく
例年、まずは矢木沢ダム、そして数時間後に奈良俣ダムが放流するというスケジュールが組まれている。ひとつでもうれしいのに、両方の放流が観られるためのはからいまであるのだ!
③ 珍しいダム形状
この2つのダムは、非常に特殊な形状をしており、それゆえダイナミックな放流を観ることができるのも、ダムファンの心を引きつけてやまないポイントだ!
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■先に矢木沢ダムへ
矢木沢ダムの珍しいポイントとして、「ダム本体から水が直接吐出されない」ことが挙げられる。吐出口はダムの脇にあり、そこから長い水路が続く。水路の先はスキーのジャンプ台のようになっており、そこから水が池に流れ込むのだが、最大出力となった時には、水しぶきで周囲一帯が大雨が降っているかのような状態になるのだ。
▼近づくとこの水しぶき!
▼堤までのぼると水路を見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=gRDVQjm9I7c
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■続いて奈良俣ダムへ
奈良俣ダムの最大の魅力はその規模だ。2007年にマンモスダム・徳山ダム(岐阜県)が完成するまでは、堤体積で日本一(現在は2位)、堤の高さでも日本で3位(現在は4位)と、依然として最大級であることに変わりはない。
奈良俣ダムの形状は「ロックフィルダム」と呼ばれ、なだらかな斜面をしているのが特徴だ。そのため、放流が始まってから水が着水するまでに、かなりの時間がかかる。水がじわじわとせまってくる迫力が、奈良俣ダムの魅力だ。
水がゆっくり出ているように見えるが、これでも毎秒10トン程度の放流である。
2011年には東日本大震災によって、2012年には節電によって中止になってしまった同イベントだが、それ以外はここ数年毎年欠かさず訪問している記者としては、「毎年、観光客が増えている」と実感している。しらべぇ読者の皆さんも、いち早く歴史の目撃者となってほしい。
(文/しらべぇ編集部)