職場での「昼寝」習慣の浸透が日本を救う?15分の昼寝で〇時間の覚醒効果!
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睡眠コンサルタントの友野なおです。
午後に訪れる1番の大敵といえば、間違いなく「眠気」。必死に気合で乗り切る人や、ガムを噛んだりタバコを吸ったりして眠気と戦う人など、皆さん様々な方法でこの眠気除去のための対応をされていることと思います。
どうしようもなく眠くて思考回路が一時停止してしまう瞬間には、もういっそ昼寝をしてしまいたいと感じることもあるかと思われます。しかし、一部海外の国とは違い、残念ながら日本では積極的に昼寝をとる習慣はありません。
実際、しらべぇ編集部で全国の20代から60代の男女計1658名を対象に「昼寝はサボっている印象を持つ」かどうかを聞いたところ、全体の26.2%、つまり4分の1以上の人は「昼寝はサボり」と考えていることが分かりました。
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しかし、実は昼寝には、サボリどころか生産性を高めて仕事のパフォーマンスを上げる作用が大いにあるのです! 今回は、積極的に昼寝をとることで得られる「知られざる昼寝メリット」を3つご紹介しましょう。
【積極的昼寝のメリット1】
15~20分の昼寝をとることによって、2~3時間眠気を払拭する覚醒効果が得られるといわれています。
また、昼寝をとることで午前中の脳の疲労回復が促されスッキリするので、その後の作業能力が改善されることも報告されているそうです。実際、アメリカでは昼寝は「パワーナップ」と呼ばれており、脳と体にパワーを取り戻してより良い仕事を行なうためのひとつのビジネススタイルとしてエグゼクティブに広く受け入れられています。
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【積極的昼寝のメリット2】
眠気が強い状態だと思考回路が正常に働かなくなる、という経験は多くの人がしていることでしょう。決断力や集中力、発想力などが落ちることと併せて、実は達成感も下がるといわれているのです。
小さな達成感の積み重ねが成功体験となり、自分の自信につながっていきますが、自分の成果を過小評価する傾向が強まると心理的な負担はどんどん大きくなってしまいます。その状態が続くことは深刻な精神的ダメージを及ぼしかねませんから、昼寝は決して軽視できない“心の健康習慣”でもあるのです。
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【積極的昼寝のメリット3】
習慣的に30分以下の昼寝をとる人は、これ以上とる人や昼寝をしない人に比べるとアルツハイマー病にかかる危険性を3分の1にまで引き下げることができるといわれています。
実際、健康なご年配の方や意欲的なライフスタイルを送っている高齢者の方に短時間の昼寝習慣をもつ人が多いとされ、心と体の健康維持には昼寝が非常に有効である可能性があるのです。
全力で仕事をするにも、プライベートを楽しむにも、趣味に没頭するにも、まずは心身の健康という基盤があってこそ。積極的に昼寝習慣を取り入れることで、どんどんQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を引き上げていきましょう!
昼寝習慣の浸透が、閉塞感の否めない日本の現状を打破するかもしれません。
(文/睡眠コンサルタント・友野なお)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年3月20日~2015年3月23日
対象:全国20代~60代男女計1658名