離島への冒険旅行の数々②〜やっぱり石垣島・前編〜【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】

2015/05/06 11:00


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2歳の夏、息子は泳げるようになってからというもの、水の中で泳いだり遊んだりするのが楽しくて仕方ない様子で、しょっちゅうプールに行きたがった。水中で遊ぶ息子の動きは、日に日にカッパのように自由自在になっていった。

ワシら夫婦も、そんな息子の姿を見るのが楽しかったので、時間さえあれば息子をプールにつれていったのだが、そうしているうちに、息子をに再び連れて行きたくなった。

この前、式根島に行ったときは、まだ息子は泳げなかった。なので、泳げるようになった息子に、この夏中に、海で思いっきり遊ばせてみたくなったのだ。しかし、暦は9月を迎え、夏も過ぎようとしていた時期である。今年は海には行けないかな……そう思いかけたとき、妻がこう言った……

石垣島がいいんじゃない?」

そうだった!東京では夏が過ぎ去ろうとしていたが、沖縄地方はまだ海で泳げるのだった!しかも、沖縄本島よりも南にある石垣島だ。ワシも妻も行ったことのない場所だったが、きっと美しい海があるはずだ!……と、早速、9月の後半に石垣島への旅行を組んだ。

仕事のスケジュールをなんとか調整つけて、3泊4日で行くことにした。帰京予定日の翌日が撮影日だという強行的なスケジュールではあったが、気にもとめなかった……あとでこのスケージューリングがあんなことになるとは思わずに……。


石垣島は羽田から直行便で3時間半くらいだ。息子が飛行機に乗るのは初めてだったが、ありがたいことに全く問題はなかった。楽しそうに雲の上の風景を見たり、イヤホンをつけて音楽を聴いたりしていた。そして、9月後半だが、降り立った石垣島はまだ真夏だった!

ホテルに入り、部屋から海を見た。はじめて見た石垣島の海は美しかった。正直、それまで行ったことのある海の色とは大違いだった。「青い海」というのは、本当にあるんだなあ……などとぼんやり考えている暇もなく、早速ワシら夫婦は準備をすると息子を連れて海辺へ向かった。



■石垣島へ向かった父の思惑

そのとき、ワシには内心どうしても息子に見せたいものがあった。そのことが今回の石垣島行きのテーマでもあった。その見せたいものとは……海の中を泳ぐ魚である。できれば、息子に、水の中で魚を追って泳いで欲しかった。

なぜ、そんなことをさせたかったかというと……冷たい水の中で、目の前を泳ぐ生きている魚を見て、体を使って泳いで追いかける……息子にせっかくの自然を肌で感じて、体感してほしかったのだ。

きっとただでさえも凄い勢いで発達している2歳時の脳みそをこれほど刺激してますます発達させることはないだろうと思ったからだ。


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■背丈より深い海を泳ぎ回る姿に思わず…

ワシは、そんなことを考えながら、息子を抱っこして海に入った。最初は息子が自分の背丈よりも深いところを怖がるかと思ったが、まったく問題はなかった。逆に、自分から息を止めて海水に浮かんだり、潜ったりしだした。 

息子にとって初めての海水の中は、不思議な世界だっただろう。さらさらとした白い砂が広がり、見たことのない貝殻や変な形の珊瑚石が落ちていたり、得体の知れない海藻がふわふわと浮いていたり……

息子は、ワシら夫婦の腕から海水に飛び込み、底にある白砂や貝殻や珊瑚のかけらなどを拾っては、再び浮上してワシら夫婦の腕につかまる。そんなことを夢中になって何度も何度も繰り返していた。

息子がそれに夢中になっているうちに、ワシらもこっそりと少しずつ深い場所へと移動していったので、いつの間にか、息子は自分の背丈よりもずっと深い場所で潜ったり泳いだりするようになっていた。そして、ワシら夫婦も息子と手をつなぎ、海水の中を一緒に泳いだ。

ワシは、海水の中で息子と手を握り泳ぎながら、最高の幸せを感じていた。海の中で思わず目頭が熱くなってしまった。

「ここは海の中だ。ワシがいくら涙を流しても海水が涙をどこかに運んでくれる。誰にも気づかれんだろうから、思いっきり泣いてやるぞ!」

と思ったが、息を止めているので、そう長くは海水の中では泣けなかった。


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■ついに魚に遭遇!なかにはカクレクマノミも

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Photo by Kazuhiro Tsugita

そんなふうにワシが感動していると、泳ぐワシら三人の目の前を何かが横切った……おお!さ、魚の群れではないか!手をつなぎ泳ぐワシらの前というか下を白い魚の群れ(すまんです!ワシってば、魚のこと詳しくないので名前がいまだにわからん)が通り過ぎたのだ。

息子は大興奮で海から顔を出し、「魚いた!」と叫ぶ。ワシも「よし、つぎ見つけたら追いかけよう!」と再び海中に潜り探すと、他にも何種類かの魚がいた。ワシの手を握りながらメチャクチャな泳ぎで魚たちを追いかけようとする息子だが、魚たちは息子の前を悠々と泳いで行く。

そして、その魚の群れの先に、ぼんやりと一つの岩が見えてきた。岩に近寄ってみると……そこには、多くの魚たちや珊瑚が生息していた。

なかには、なんと、あの、ニモ……いや「クマノミ」がいるではないか!オレンジに白の縞模様をしたクマノミは、ワシらが近づくと、珊瑚の中に隠れてしまうが、またすぐに出ては隠れたりする。

それをじっくりと息を止めて見ている息子の横顔を見ていると、幼い息子が感動を味わっている雰囲気がゴーグル越しにも伝わってくる。

こんな光景を見ながらワシは思っていた……きっと今、息子の脳みその発達がドンドン促されていることだろう……と。海水の中で聞こえる泡のはじけるような音が、ワシにはまるで、息子の脳みその中で起きている細胞分裂の音やニューロンがつながり増殖する音であるように思えてならなかった……。

こんな感じで石垣島の幸せな時間は過ぎて行った。「石垣島最高!来年も来ようっと。さあ、明日は東京に帰ってすぐに撮影だ」などとワシは幸せに浸っていた……が、そんなワシは甘かった!


……自然というのは、やさしい顔をしているときは、あまりにも心地良いのだが、ちょっと厳しい顔を見せると、ワシら人間があまりにもちっぽけな存在であるということを思い知らせてくれる……帰京する予定日の朝、部屋の窓からワシらの見た光景は怖くなるくらい荒れ狂っているものだった……。

その日、石垣島にとんでもなく大きな台風が上陸したのだ。

てなわけで、石垣島の続きは次回!

(文/溜池ゴロー


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