同業への転職で違法になるケースとは?越えちゃいけないラインを解説!
転職を検討している人にとって、仕事で培ってきたスキルや知識をすぐさま有効活用できるのは、同業他社への転職が一番。ですが、狭い業界だったりすると「仁義にもとる」と噂されてしまうことも。
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■あの企業も同業への転職は禁止していた!?
海外の企業でも同業他社への転職によるトラブルが多いそうです。
アメリカの某通販・オンラインショップの従業員は、退社後1年半は同業他社に行くことを禁止した契約を結んでから辞めるのがルール。フルタイム社員やホワイトカラー社員のみならず、雇用形態が限定的、雇用期間が短期のアルバイトであっても、厳格な競業避止契約にサインさせます。
仁義という曖昧なものではなく、契約で明確に縛ろうとする点がアメリカらしいですが。
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■ヘッドハンティング会社に聞いてみた
©iStock.com/shironosov
では日本国内で、同業他社への転職により問題が起こる場合とはどのようなものでしょうか。
ヘッドハンターは基本的に、企業側のニーズに応じて営業活動を行うので、希望する人材の経験や技術、年収、年齢などの細かい条件をヒアリングして動くそうです。
これらの条件の中で最も重要なのは経験と技術。同業他社から人材を探していかざるをえないそう。
つまり、ヘッドハンティングでの転職は、多くの場合が、仁義なき引き抜きなのです。そして、この転職自体で問題になることは「ほとんどない」と言います。
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■弁護士にも聞いてみたところ…
同業他社への転職は、どこまでがOKでどこからがアウトになるのでしょうか。
「同業他社への転職が不正競争防止法違反に該当すると判断される場合があります。それは、前の会社の営業秘密を使用したり開示したりする行為があった場合です。
営業秘密とは、会社が事業を運営していく上で培ってきた情報全般で、例えば、秘密として管理されている勤務先の顧客情報(住所・会社名・電話番号等)や営業ノウハウ、各種の技術情報などがそれに当たるでしょう」
転職だけでなく、同業で独立起業する場合も同様。以前の職場で知り得た情報や技術を使用すると、訴えられる恐れがあるということです。
不正競争防止法に抵触するのか否かの基準としては、転職あるいは独立起業した企業で、前の会社で秘密として管理されていた生産・販売方法などを使用しているか、どうかがポイントとなるそう。
転職は自分の強みを活かしてキャリアアップするものですが、経験の使い方を誤ると訴えられる可能性があるということも覚えておくべきでしょう。
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■職業選択の自由は、憲法で保障されているけど
日本国憲法で職業選択の自由は保障されています。転職すること自体は、雇用主と従業員の間に競業避止義務による誓約でもない限り止めることはできません。
けれど、職場で知り得た営業秘密を使うつもりで転職することは控えたほうがよさそうです。
どこまでが各企業の営業秘密なのかは職種や競合具合によってそれぞれ。「これをやったら訴えられるかも…」という線は自分の良心で判断するしかないでしょう。
一般的に同業他社に転職する場合は、上司や経営陣に転職先を明かしておくということで、「一応の仁義を切った」とみなされる場合が多いです。
これは、「営業秘密を悪用するつもりはありませんので、恨まないでくださいね」とあらかじめ釘を差しておくということかもしれません。