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知りもしないことを聞かれ、適当に回答する国民と、その結果に右往左往する偉い人たち【コラム】

コラム

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©iStock.com/LanceB

山本一郎です。東京都民です。

私たちのこの民主主義社会がいかに美しく、儚(はかな)い存在であるのか、すでに公になっている調査結果の報道から見てみましょう。

安倍内閣 「支持」51% 「不支持」32%(NHKニュース)

安倍内閣を支持もしていなければ不支持でもない私は17%の中に入っているわけですが、予備や事前も含めていろんな調査結果を見ることの多い私としては、NHKのように信頼のおける報道機関が提供するこの手の数字も、結局は「私たちの社会に確実な世論など存在しない」ということを改めて教えてくれるわけであります。

この記事では、電話調査において信頼できる一般的な手法であるRDD法によって、1594人に質問をし、67%にあたる1062人の国民から回答を得たと伝えられています。

注目するべきは報道の後半部分で、アメリカのオバマ大統領と会談した安倍晋三首相は「日米同盟を強化していくこと」を確認しました。これについて、評価するぞベイベーと答えた国民その他はこんな割合です。

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なんだ、結構みんなブツブツ言ってる割に、日米同盟強化に賛成なのね。ふーん。

で、「自衛隊とアメリカ軍が協力する範囲や内容が拡大すること」についてはこんな感じ。

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さらには、「集団的自衛権の行使を含む安全保障法制の関連法案を、ことし夏までに成立させる考えを明言したこと」には、国民は賛否拮抗といった趣であります。

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で、最後にこんな内容があります。

「安倍内閣が進めている安全保障法制の整備の内容を、どの程度理解しているか尋ねた」

えっ。ある程度理解しているから、上記質問に対して国民は聞かれたことに回答しているんじゃなかったの。

その結果がこちら。

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お前ら、分かってねーのかよ!!

途中までふむふむと読み進めていた私は危うく椅子から落っこちそうになりました。知らないのに評価するとか、分からないけど日米安保反対などと、なんとなくな感じの空気で回答しちゃっていいものなんでしょうか。

また、それを大々的に調査して集計し、ああ国民の風向きはこっちなんだなあと判断することにいかに根拠がないのか、非常に良く分かる内容だと思うんですよね。砂の上にタワーマンション建てちゃった系の。

一方で、現代社会というのはこの世で解決しなければいけない問題が多岐に渡り過ぎています。人間一人が問題を認識し把握し理解して、解決に力を注ごうとするのと、誰かが問題だと騒ぎ、報じ、それに対する態度を第三者として決めるのとでは、問題にコミットする度合いも覚悟も知識もまったく違うということです。

大事な問題だけれどもややこしくて分からないということは、決して恥でもないし、それを国民に伝え、知らしめることのできるメディアの機能というのはそこまで実は重要なものなのだということは、改めて理解できると思うんですよね。

その分、プロパガンダやちょっとした事件で世論がだーっと動いていくことについて、私たちはより敏感にならなければならないし、物事について慎重に考えて判断していく癖をつけるべきだと考えるわけです。

どうもこれが私たちの情報化社会というものであり、その上に立脚した民主主義の真相なんでしょう。分かってなくても判断を強いられてしまう、この社会の仕組みというものは、果たして私たちにとって本当に過ごしやすいものなのでしょうか。

(文/山本一郎

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