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ファン100人が被害に…チケットを偽造したら罪になる「有価証券」とは?【法律コラム】

コラム

sirabee0517gizou3©iStock.com/dwphotos

みなさんは、歌手・アイドルのコンサートやライブイベントに行ったりしますか?

筆者も以前は、大好きなアイドルグループ「AKB」や「モーニング娘。」のコンサートチケットのインターネットの先行販売や、抽選チケットの争奪戦に参戦しては、ことごとく取り逃がし、悔しい思いをしていたものです(笑)。

さて、今日はこんな質問をマインドソナーを使い聞いてみました。

 

Q.争奪戦の末、大好きな歌手のコンサートやイベントのチケットを入手したことがある

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男性の24%と比べて女性は41%と高いですね(汗)。女性の熱意を感じます(笑)。

ファンの立場からすれば、是が非でもチケットを手に入れたいという強い気持ちがあるのは当然のこと。人気のチケットであれば、販売開始とともに即完売なんてことも珍しくありません。

入手できなかった場合は、正規価格より高くても“ネットオークションで手に入れた”という経験をお持ちの方もいることでしょう。

最近では、SNS経由での転売も多くなっているのが現状です。いまこの瞬間も、チケットを入手するべくオークションサイトやSNSを必死で探し回っている方もいたりして…。

でもちょっと待ってください。「何としてでもチケットを手に入れたい」という多くのファンがいる一方で、それにつけこんで、悪いことをする輩が必ずいます。

今回は、法律的な観点から「チケット」に関するお話をしていきたいと思います。

 

■絶対に許せない! 偽造チケットで400万円を荒稼ぎ

sirabee0518gizou2画像出典:Amazon

先日、某人気音楽グループのコンサートチケットを偽造し、それをインターネットの交流サイトを利用し、他人に販売したとして、都内在住の男が、偽造有価証券行使等と詐欺の容疑で逮捕されたというニュースがありました。

この男、同様の手口で、100人近くの人をだまし、計400万円ほど荒稼ぎしていたとのこと。ファンの純粋な思いを踏みにじる、絶対に許せない行為です。

許せない行為なのはもちろんのことですが、今回は偽造有価証券行使等の罪に問われています。

しかし、チケットって「有価証券」なの?と、疑問に思う方もいるのでは? 「有価証券」について法律的に見てみましょう。

 

■定義は意外と広い。定期や商品券も「有価証券」

sirabee0517gizouphoto by Dick Thomas Johnson

「有価証券」というと、株券とか小切手をイメージする方が多いのではないでしょうか。

株券や小切手は典型的な有価証券ですが、一口に「有価証券」と言っても、実はその定義は法律ごとに異なり、たとえば、金融商品取引法や法人税法などでそれぞれ定義がされています

一方、刑法上の「有価証券」については、「財産上の権利が証券に表示され、その表示された権利の行使につきその証券の占有を必要とするもの」をいうとの判例があります。

この定義は金融商品取引法などの「有価証券」の定義に比べて、広いものになっています。

コンサートチケットは、コンサートを見ることができるという「財産上の価値」がチケットに表示され、コンサートを見る際にチケットを提示する必要があるので、刑法上の「有価証券」にあたり、これを偽造すると罪になるのです。

これまで、刑法上の「有価証券」とされたものとして、

電車の乗車券・定期券、商品券、宝くじ、馬券、ビール券、タクシーチケット、テレホンカード

などがあります。

そうそう、あの某有名アイドルグループの握手券の偽造が問題となった事案でも、「握手券」が刑法上の「有価証券」にあたると判断されていましたね。

興味ない人にはたとえ紙切れ同然に思えたとしても、ファンにとっては非常に大きな財産上の価値があるもの。

安易に偽造して、利益を得ようとすることは絶対に許されないのです。

 

■おわりに

大好きな歌手やアイドルを追いかけて、チケットを手に入れることに全力をつくすあなたの姿は心打たれるものがあるでしょう。 応援される側の心にも届いているはず。

もし、不正な方法で、チケットを売ったり作ったりしようなんて考えている不届き者が周りにいるようなら、ひいきにしている歌手やアイドルの名前を挙げて、「そんなことをしても○○(大好きなあの人の名前)は喜ばないぞ」って、諭してあげてくださいね(笑)。

(文/弁護士・佐藤大和

 

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