終身雇用と転職をしていくのはどっちがいい!?全世代で半数を超えたのは?
日本の終身雇用は崩壊したと言われるようになって久しい。経済成長の鈍化、成果主義による年功序列の廃止など様々な理由が挙げられているが、働く側の「今の本音」として、終身雇用と転職していく会社員人生のどちらが望ましいのだろうか。8,120人が回答した2015年5月の最新アンケート結果を見ていきたい。
あなたは終身雇用と条件次第で転職をしていくのは、どちらがいいと思いますか?
総投票数:8,120票(%は小数点以下切り捨て)
1位 一社で終身雇用 5,204票 64%
2位 転職をしていく 2,916票 35%
「崩壊」神話に反するように、まだまだ根強く終身雇用を好む傾向が表れた。ここで注意したいのが、設問が「条件次第で転職」となっている点。この聞き方に対して終身雇用を選ぶということは、収入や福利厚生などで好条件があったとしても転職をしたくないという意思がうかがえる。
また、全年代を通して「一社で終身雇用」を選んだ人が多いのも今回の特徴だ。
「一社で終身雇用」を選んだ人の年代別割合
20代、40代、60代以上が同率の63%ということから、年代による意識差があまりないと言えそうだ。
では、終身雇用派の声を聞いてみよう。「今いる大企業ならではのメリット、つまり大きな仕事ができたり対外的な信用度が大きいから定年までいたい」(40代)、「今の会社でそれなりのポストがある」(30代)と現状が安定・充実しているというもっともなケースや、「転職のたびに人間関係や社内のキャリアがリセットされるのは大変だし、他社で通じる汎用的なスキルが無い」(20代)などやや保守的な意見も見られた。
また、実際は転職も経験し現在は独立しているが「“株式会社自分”として終身雇用で働きたい」(30代)という人も。たしかに起業は究極の終身雇用と言えるかもしれない。
対する転職派は、「様々な会社にいくほうが色々な経験ができるので、自分自身の成長に繋がりそう」(20代)、「自分にとってもっと楽しい仕事があるかもしれないから、何歳になってもその可能性を持っていたい」(30代)など、やはり安定よりも環境の変化を肯定的に捉える傾向にあるようだ。
終身雇用を前提とした会社そのものが減っているとも言われる。起業などの選択肢も含めてそれに適応する人がいる一方、現実としては一社で終身雇用を望む割合が依然として高い。そんなアンバランスさが垣間見える結果となった。
(文/しらべぇ編集部・伊東宏之)
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