【ここだけの話】難関資格の通関士が「自分では絶対食べない輸入食品」とは?
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日本が、1年間に海外から輸入しているモノやサービスの金額をご存知だろうか?
財務省貿易統計によれば、2014年の輸入総額は85兆9091億円。日本の国家予算(H27年度の一般会計は96.3兆円)にも迫る、莫大な金額のモノが海外から日本に運び込まれている。
これらは、空港や港で税関によってチェックを受け、所定の関税を支払った後、国内に流通する。この通関手続きを売り手・買い手に代わってスムーズに行なう国家資格が「通関士」だ。
■合格率1割前後の超難関資格
年に1回行なわれる通関士試験の合格率は、2013年で11.6%。1割を切ることもある。
2014年の司法試験合格率が、22.6%(旧試験では3%前後)なのと比較すると、その難しさが想像できるだろう。 勤務地も輸出入の現場に限られるので、知り合いに通関士がいる人も、多くないかもしれない。
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■「海外ブランド」は、あまり買いたくない?
そこで、とある空港で通関士として勤務する50代の男性に、知られざる輸出入の裏話について聞いてみた。
通関士:アベノミクスの恩恵か、円安になっても海外の高級ブランド品の輸入は増えていますね。でも、海外での価格や関税額なども把握しているので、正直、自分で買う気にはなりません。
最近、増えている中国人観光客が、わざわざ日本に来て買って行きますよね。ブランドの店は中国にもありますが、「日本で買えば絶対ニセ物じゃない」からだそうです。
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■「カビ毒」で引っかかってもすり抜ける方法が!
通関士:ナッツ類、たとえばアーモンドなんかは、発ガン性物質のアフラトキシンというカビ毒が発生しやすい。たとえば、丸のままの輸入されたアーモンドを空港で検査すると、日本の基準に引っかかってしまうことがあります。
そんな時は、いったん本国に送り返して水で洗い、カビ毒を落として砕いたうえで、もう一度輸入するんです。丸のままと砕いたナッツでは、基準値が違うので。
そうすると、検査をパスすることができる。だから、アーモンドの粒をまるごと使ったチョコレートはまだ食べますけど、クラッシュしたのが入ってるチョコは絶対食べたくないですね。
もちろん、全部がそういうものとは限りませんが。
一般では、なかなか見ることができない、輸入品の舞台裏。買い物の参考にしてもよさそうだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・盛山盛夫)