【今だけ見られる】刺さないハチ「ライポン」って知ってる?
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厚生労働省の発表によると、2013年に「ハチに刺された」ことが原因で死亡した事故は23件。直近10年の平均でも、年間約20人が命を落としている。
死亡事故の大半を占め、攻撃的で恐ろしいハチの代表といえばスズメバチだが、「刺さないハチ」がいるのをご存知だろうか?
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■毒針は「産卵管」なのでオスは刺さない!
ミツバチやスズメバチなど、群れで生活する種類の働きバチは、すべてメス。そのため、「ハチは刺すもの」というイメージがあるかもしれないが、ハチの毒針は卵を産むための管が変化したものなので、オスは刺すことができない。
こうした性質を利用した子供の遊びの中に、「ライポン」などと呼ばれるペットがある。東京出身の読者の中には、覚えている人もいるかもしれない。
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■「刺さないハチ」ライポンの知名度は7%ほどだが…
編集部がアンケートサイト「マインドソナー」で調べてみたところ、全国的な知名度は6.6%。
ライポンとは、コマルハナバチのオス(トップ画像)を東京都の城南地区で呼ぶ愛称。もちろん毒針はなく、毛がふわふわしてかわいらしいうえに、メスと間違えにくいので刺される心配も少ない。
ちょっとかわいそうだが、かつては6月になると、子供たちがこのハチに糸を結んで、犬の散歩のように飛ばしている光景がよく見られた。
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■コマルハナバチのメスは黒いので見分けやすい
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ちなみに、「ライポン」と呼ぶのは目黒区や大田区に限られ、狭い東京エリアの中でもさまざまな愛称がある。それぞれの地域の子供たちに愛されていた証かもしれない。
・ライポン:目黒区・大田区など
・キバチ:杉並区など
・キグマ:中野区など
・ペット蜂:世田谷区など
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■「白い小さな花」が咲く木で自然観察を
この種のハチは、視覚の関係から白い花に集まって蜜を吸う。公園や生け垣などに見られるネズミモチやイボタノキを見ていると、きっと見つけられるはずだ。
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ライポン(コマルハナバチ)がよく見られるのは、不思議とこの花が咲いている6月〜7月初旬に限られるので、身近な自然観察にいかがだろうか。
(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)