コンビニPBに見られる商品名の“説明文”化…「とにかく明るい安村」との共通点

コラム

2015/06/17 07:00

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2006年頃から浸透しはじめ、いまやコンビニエンスストアの商品棚の一角を独占するようになったPB(プライベートブランド)商品。あらゆる食料品から日用品まで、各チェーンがもつPBの“統一感”あるパッケージに包まれた商品が売られている。

コンビニの店内をゆっくりと見回してみれば、「え、こんなものまでPB商品になってるの?」と驚くだろう。

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■「説明文」化する商品名

そんなPB商品だが、特にお菓子のカテゴリーにおいて興味深い現象が見られる。それは、商品名の「説明文」化だ。

通常、製菓会社が出す商品であれば、耳に残る親しみやすい商品名が存在し、その商品名は凝ったフォントでパッケージに印字され、パッケージデザイン自体も複数の厳選された候補のなかから時間をかけて選ばれるだろう。

しかし、PB商品のお菓子においては、パッケージデザインや商品名のフォントは基本的に統一されており、肝心の商品名は「それが何であるか?」ということを説明するようなネーミングになるのだ。

つまり、必要最低限の意匠でつくられているのである。

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■自分の名前に性格を付けた「とにかく明るい安村」。では、炭酸水には…

最も分かりやすい例を、まず“水”で挙げてみよう

セブン‐イレブンなどに置かれるPB「セブンプレミアム」より発売されているミネラルウォーター、そして炭酸水の商品名は、それぞれ「天然水」「そのまま飲める炭酸水」となっている。

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各飲料メーカーが出すミネラルウォーターであれば、「エビアン」や「い・ろ・は・す」、あるいは“南アルプスの”といった商品名となるものだが、PB商品においてはずばり「天然水」。炭酸水では、あえて“そのまま飲める”という説明文言が商品名に含まれている

■あの有名なお菓子をPB商品にしてみると…?

では、PBにおけるお菓子の商品名はどうなっているのか? それぞれの“元ネタ”となっている商品を頭に浮かべながら見ていこう。

まずは、「ファミリーマートコレクション」より発売されている、「メキシカンチップス タコス味」「スナック棒 めんたい味」

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これは容易に、「ドンタコス」(湖池屋)と「うまい棒」(やおきん)の“めんたい味”を連想させる。

次に、ローソンのお菓子PB「おやつごろ。」より発売されている、「チョコレートプレッツェル」

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パッケージにプリントされた商品イメージから、誰もが「ポッキー」(グリコ)を思い浮かべるはずだ。

“プレッツェル”というのは、焼き菓子の種類を表す一般名称のこと。PB商品のネーミングにおいては、この「一般名称の使用」が多々みられ、セブンプレミアムの「ラングドシャ チョコレート」もその一例だ。

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“ラング・ド・シャ”とは、細長い形状のクッキーやビスケットを表すフランス語の一般名称で、日本では「白い恋人」(石屋製菓)や「アルフォート」(ブルボン)シリーズで広く親しまれている。

■あのスナック菓子を居酒屋メニュー名っぽく表現したら…?

次に見てもらいたいのが、セブンプレミアムの「4種のチーズをブレンドしたチーズリング」「炭火焼きグリル風のバーベキュースナック」

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写真から、多くの人が「カール」(明治)と「サッポロポテト」(カルビー)を思い浮かべたと思われるが、“もしもスナック菓子を居酒屋のメニュー名っぽくしたら…”と想像してみてほしい。お菓子に限らず、PBの食料品のネーミングには、この思考法がことごとく通用するのだ。

そして最後に、ファミリーマートコレクションの「波型カットの厚切りポテトチップス(うすしお味&のりしお味)」

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そして、こちら。

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セブンプレミアムから出ている、

・石垣の塩で味付けした厚切りポテト 塩味
・肉と野菜のうま味をバランス良く合わせた厚切りポテト
・まろやかな酸味とオニオンの甘み 深切りポテト サワークリームオニオン味
・フランス産岩塩を使用した深切りポテト うすしお味

の4商品だ。

産地の記載、“酸味”や“うま味”といった引きのある居酒屋(レストラン)的フレーズに加え、これらの商品では、説明ワードのバリエーションも見られる。「波型カット」「深切り」「厚切り」といった表現だ。

これらの表現は通常、CMナレーションや広告のコピーにおいて“商品の説明”として使われるワードだ。前述の「そのまま飲める炭酸水」の“そのまま飲める”についても同様のことがいえるだろう。

つまり、統一性に重きを置き、商品ごとの強いイメージをつくろうとしないPB商品においては、機能や特徴がそのまま商品名に組み込まれるのである。

増え続けるPB商品は、新機軸の“商品名”を消費者に提示しているようだ。

(文/しらべぇ編集部