「テキ屋1000店・徒歩暴走族ら1000人」はどこへ? 西日本最強「ヤンキー祭り」が様変わり
祭りの夜をめがけ、近郷近在から繰り出すヤンキー集団「徒歩暴走族」が出現。報道などで世間を騒がせてきた兵庫県「長壁神社」(姫路市立町)の夏祭り「姫路ゆかたまつり」が、今年も6月22日から3日間の日程で始まっている。
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■ 珍風俗で知られた「徒歩暴走族」とは?
徒歩暴走族は、特攻服・迷彩服を着込んだ若者らがグループを組み、町を練り歩いて示威行為に及ぶという姫路ならではの珍風俗。
2000年には一部のグループが「バーリバリ」とオートバイの爆音に似た奇声を上げながら警官隊ともみ合う様子が報道され、注目を浴びたこともある。
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■ 官民一体の努力で撲滅へ
ゆかたまつりは本来、訪れた家族連れやカップルが浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむ様子が夏の風物詩とされてきた城下町らしい祭り。
車やバイクに乗らない「徒歩暴走族」。昨年もニュースにしたのを覚えているでしょうか。
姫路市や姫路署が、特攻服を着て迷惑行為を繰り返す「徒歩暴走族」を取り締まるための合同訓練を行いました。http://t.co/YoI1bUuGFg pic.twitter.com/ou1ZHxzHmV
— 産経ニュース (@Sankei_news) June 17, 2015
かつての風情を取り戻したい市民や行政、警察など関係者の努力が実り、2006年にはやじ馬と合わせ一晩で約1000人が集まった(姫路市調べ)こともあるという徒歩暴走族は、2009年を最後に影を潜めたとされる。
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■ 名物露店が10分の1に激減! 新たな問題も
徒歩暴走族と入れ替わるように新たな問題として表面化したのが、西日本最大級の露店数とされ、多い年で1000店が軒を連ねたこともある屋台業者を取り仕切ってきた民間団体の存在。
祭りとの関わりが不透明・不適切との声が高まり、2013年を最後に同団体は、露店の運営から手を引いた。
これを受け露店数は2014年、前年の約800店から激減。姫路市などの肝いりで公募に応じた市民や神社周辺の商店による80店ほどが祭りの下支えに取り組んだものの、訪れた人からは「風情がない」「楽しめない」といった声が寄せられるなど、かつてと比べると火が消えたような3日間となった。
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■ にぎわい復活、市民の手で
取り組み2年目となる今年は、露店数が約170店までに回復。一定の成功を収めているようだ。神社周辺は、肩をぶつけ合うように行き交う人々であふれていた。
一方で、市民が自由にくつろげるはずのJR姫路駅前広場などが、祭り期間中は封鎖され利用できないことなどが気にかかった。
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■ 祭りを訪れていた人の声は?
やっぱり露店の数が少なすぎる(20代男性・女性のカップル)
祭りがつまらなくなった。仕方がないことだが残念(30代男性)
訪れた人からは、こうした声が聞かれるものの、
地元の商店や商店街組合、市民団体が運営する屋台も目立ち、安心して利用できる(40代女性)
徒歩暴走族がいなくなったので、家族連れでも祭りを楽しめるようになった(30代男性)
など歓迎の声も。
公募で露店を出せるのなら、職場の友人同士で出店してみたい(20代男性)
と、自ら店を出して楽しもうと考える人もあった。
「ヤンキー祭り」が過去のものとなった現在、祭りのにぎわいを市民の手で取り戻そうとする取り組みは、手に着いたばかりだ。最終日は24日。
(取材・文/しらべぇ編集部・前田昌宏)