仕事でのLINE活用は要注意!既読スルーでも取引は成立する!?未読の場合は?
LINEは日本でのアクティブユーザー数が3500万人(2015年4月 LINE社発表より)を超えるメッセージアプリ。これだけ普及すると、日々の何気ないやりとりだけでなく、仕事にも使われるようになってくる。
■ LINEで「仕事の発注」は法的に有効なのか?
一方で、「LINEを仕事で使いたくない」という人も一定数存在している。
上司や取引先から軽いノリで仕事の指示が来るようになってしまうと、仕事とプライベートの境目がなくなってしまうという意見だ。
では、LINEで「仕事の注文」が来た場合、正式な依頼として認められるのか? 法律の専門家に尋ねてみた。
認められます。取引先との発注は、法的には売買契約、請負契約、業務委託契約などであることを多いです。
しかし、これらの契約が成立するのに、決まった一定の形式は求められていません。
そのため、たとえ口頭でのやりとりであっても、法的には正式な受注(契約)として成立します。
結局のところ、「発注したものが届かない」とか、「発注したものと違うものが届いた」というトラブルを防ぐために、書面やメールで確認をしているわけです。
したがって、LINEでの担当者間のやり取りでも、法的には発注として何ら問題ありません。(星野宏明弁護士)
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■未読だったら契約は不成立?
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LINEでも、ビジネスのやり取りとしては、メールやファクスと同じということ。
業務では、「納品物・期限・金額」を明確にし、発注側と受注側で合意することが必要だ。
では、受けた側のLINEが既読ではなく未読のままならば、「まだ発注を受けていない」と言い張ることはできるだろうか?
基本的には、発注は、相手方に意思表示が到達してはじめて効力を生じます。
ビジネスの世界では、注文後、売主(受注者)からの拒否の回答がない限り、受注は成立したものとして扱う基本契約や商慣習が一般に成立しています。
しかし、こうした基本契約や商慣習も、そもそもの発注が受注者に届いていない場合には適用されません。
したがって、相手が未読である場合には、注文が届いていないものと認定され、故意に読まなかった場合でも、裁判では受注契約は不成立であると判断される可能性が高いでしょう。(同弁護士)
「既読」がつかない場合は、電話などで確認することが求められる。
社会の進化、多様化に伴い、ビジネスの手段も増えてくる。だが、どんな新サービスであっても、ビジネスマナーの基本は不変だ。しっかり確認、こまめな連絡を忘れずに。