名前ひとつでここまで個人情報が分かる… 店員がフルネームを晒すことのリスク

2015/07/19 07:00

PC

都内在住の元アパレル店員の女性、井上さん(28歳・仮名)は、2年ほど前にこんな経験をしたそうだ。

「ある日の仕事(男性向けアパレルショップの店員)終わり、スマホを開いたら、知らない男性からFacebookの友達申請がきてたんです。写真を見ても誰なのかがよく分からないし、共通の友達もいなかったから、とりあえず無視しました。


で、それから1カ月くらい経ったある日、普通にお店で仕事してたら、前に商品を買ってくれた30歳くらいの男性のお客さんが来店したんです。その人の第一声を聞いて、怖くなりました。『こないだFacebookの申請送ったんだけど、きてない?』って。レシートの担当者欄にあった私の名前で検索して、アカウントを見つけたそうなんです…

井上さんは、「あ、そうなんですね。ちょっとまだ確認してないかもしれません」と誤魔化したものの、恐怖を感じ、そのお客さんが帰った後にすぐに休憩をもらってFacebookのセキュリティー設定をイチからやり直したという。



 

■ネームプレートの危険性

SNS社会の昨今、いわゆる“客商売”に従事する人たちの一部は、このような事態にあうリスクを抱えている。一部とは、前述のようなレシートに名前が表記される環境や、フルネームを記したネームプレートを胸に付けながら仕事をする環境で働いている人たちだ。

これに関連し、全国の成人男女1666名を対象に、「このSNS社会で、店員のネームプレートにフルネームを書いているのはリスクが高いと思いますか?」というアンケートを実施したところ、男性で28.6%、女性で38.3%が「そう思う」と回答した。

男女で約10%の数字の開きがあり、女性のほうがより強くリスクを認識していることがうかがえる。“客商売”にかぎらず、井上さんがしたような「名前からSNSアカウントに接触される」という経験をしている女性は少なくないようだ。


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■名前ひとつで、これだけのことが分かってしまう

現代は、名前ひとつで様々なことが分かってしまう時代。

試しに、記者がまったく適当に名前を打って検索し、それによってたどり着いた“知らない男性・Kさん”のFacebookページから判明した、Kさんに関する情報を挙げてみよう。記者は、Kさんに会ったことはもちろんなく、共通の友達もひとりもいない。

Kさんは…

・ある有名大学の医学部を卒業している(つまり、職業は医師である可能性が非常に高い)
・都内の有名私立進学高校を2008年に卒業(つまり、現在25~26歳)
・東京都出身(※出身区まで判明している)
・妹がいる(※妹の名前や年齢、出身校、現在の在住地も判明)

このほか、公開されている写真や投稿から、誕生日・出身小学校・複数の趣味・海外旅行経験やその渡航時期・よく遊ぶ人(おそらく親友)の名前・現在(ともすれば過去)の恋人の名前、そして何より、顔

このように、様々な情報が判明した。アカウントの設定次第では、これ以上のもっと深い個人情報が判明する場合もあるだろう。

これが現実であるということをしっかりと認識したうえで、SNSユーザーのみなさんは、いま一度アカウントの設定を見直してみてはいかがだろうか? また、客に対してフルネームを晒さなければならないような仕事環境も見直されるべきなのかもしれない

(文/しらべぇ編集部

qzoo

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年6月19日~2015年6月22日
対象:全国20代~60代以上の男女計1666名

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