【SMAPの人気曲からたどる洋楽】マイケルからジャネットへ、そしてSMAPへ
日本でも「AWA」「LINE MUSIC」「Apple Music」といった大型の定額制音楽配信サービスが本格的にスタートし、徐々に浸透し始めています。
数百から数千万の曲を“フルで”聴く機会を与えてくれるこれらのサービス。たとえ音源を“持って”いなくとも、曲名やアルバム名で検索し、様々なアーティストの楽曲を渡り歩いて聴くことも可能な時代になりました。これをきっかけに「洋楽を聴いてみたい」という人も少なくないでしょう。
そこで今回は、SMAPのあるシングル曲を軸に聴きたい、マイケル・ジャクソンとジャネット・ジャクソンの曲を紹介しましょう。
■SMAP『さかさまの空』
2012年4月に発売されたSMAP47枚目のシングル『さかさまの空』。NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』の主題歌にもなった1曲ということで、多くの人が朝に耳にしたことでしょう。
アニメ・ゲーム音楽のワークスでも知られる菅野よう子氏による作・編曲のこの『さかさまの空』。明るい曲調と美しいストリングスが心地よい1曲となっていますが、同曲からは、マイケル・ジャクソンが1979年に発表した名曲『Rock with You』の強い影響がうかがえます。
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■マイケル・ジャクソン『Rock with You』
クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎え制作され、真の意味でのマイケル・ジャクソンによる最初のソロ・アルバムと位置付けられることの多いアルバム『オフ・ザ・ウォール(Off The Wall)』。全世界で2000万枚以上を売り上げた大ヒットアルバムです。
ポール・マッカートニーやスティービー・ワンダーといった豪華なメンツが参加した同アルバムのなかで最も人気の高い曲が、この『Rock with You』でしょう。
同曲のどの要素が『さかさまの空』に影響を与えているのかといえば、それはサビ前の部分。
「(You got to)feel that heat
And we can ride the boogie
Share that beat of love」
という歌詞で歌われている、サビに向かって“上がって”いく箇所で流れる短い“リフ”です。(動画では、0:42~)
『さかさまの空』では、この“リフ”がイントロ、そして『Rock with You』と同じくサビ直前の曲調を“上げる”箇所で非常に効果的に使われているのです。
マイケル・ジャクソンを敬愛するSMAPメンバーのために用意した、菅野氏による粋な仕掛けなのかもしれませんね。
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■ジャネット・ジャクソン『Go Deep』
さて、この『Rock With You』のリフを、『さかさまの空』から遡ること15年前に自身の楽曲で使用したのが、マイケルの妹であるジャネット・ジャクソンです。
ジャネットが1997年に発表したアルバム『ザ・ヴェルヴェット・ロープ(The Velvet Rope)』に収録されているシングルカット曲『Go Deep』がその1曲。
『Rock With You』や『さかさまの空』とは曲調や早さが大きく異なり、シンプルなビートとボーカルで進んでいく同曲ですが、3回目のサビが終わり間奏に入る直前、唐突にあの“リフ”が登場するのです(動画では、2:49~)。まったく印象が異なる曲でも、『Rock With You』のリフは見事に映えています。
ちなみに、ジャネットはマイケルのアルバムの中では『オフ・ザ・ウォール』が特にお好みなのか、マイケルの死からおよそ3カ月後となる2009年9月に発表したシングル『Make Me』でも、同アルバムの人気曲『Don’t Stop ‘Til You Get Enough』を非常に分かりやすい形で引用しています。
兄弟間での影響、そして日本から発せられたリスペクト。音楽の繋がりは、おもしろいですね。
なお、本記事で紹介した曲は、SMAPの『さかさまの空』をのぞき、すべて「AWA」「LINE MUSIC」「Apple Music」で聴くことができます。
(文/しらべぇ編集部)