「オレ、無職でーす!」自慢気に無職と語る男たち【20代は16.4%が遭遇】
我が国における雇用問題は、いまだに抜本的な解決に至っていないと言えそうです。
総務省統計局の調査によると、我が国における最新の完全失業者は224万人(2015年6月分)。5ヶ月ぶりに悪化したと話題になっています。
2000年代前半から議論され始めた貧困やニート、フリーターなどの雇用問題。アベノミクスを含めた経済成長戦略があれど、やはり失業者や雇用のミスマッチが生まれる状況が続いています。
こうした雇用をめぐる問題は、我が国が取り組むべき喫緊の課題と言えるでしょう。
◆なぜ?「無職」を自慢気に語る人たち
こうした背景もあり、しばしばネガティブに捉えられがちな「失業者」という立場。
なかには「就職できないのはオマエの能力がダメだから」など、無職に対するスティグマが押されることも少なくないと言います。
しかしながら、その一方で自らが無職であることを自慢気に語っている人たちがいることをご存知でしょうか。
本サイトが実施したアンケート調査によると、13.1%の人が無職であることを自慢気に語っている人を見たことがあると答えています。
【男女1345名に質問】無職であることを自慢気に語っている人を見たことがある?
およそ1割。決して多い数値とは言えませんが、年代別に見るとある傾向が浮かびあがってきました。
【年代別】無職であることを自慢気に語っている人を見たことがある人の割合
もっとも多いのは20代。これからが働き時と言われる20代の中に、自慢気に無職を語る人たちがいるのはなぜでしょうか。
ヒアリングの結果、「自慢気に無職と語る人たち」の実態が浮かび上がってきました。
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◆ケース1:転職活動中に「オレ、無職でーす!」 Tさん(30才・男性)
仕事をやめて転職活動中の元同僚と合コンしたとき。彼が自己紹介で「オレ、無職でーす!」と楽しそうに言っていました。
しかし、当時の彼は有給消化中。転職先も決まっており、一定の収入もあったのでとても無職とは言えない立場でした。
合コンに参加した女性の反応も悪く、あのとき「無職」という自己紹介がおもしろいと思っているのは本人だけだったと思います。
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◆ケース2:失業者だらけの前では面白くもないのに… Nさん(34才・女性)
なかなか就職が決まらず、卒業を迎えてしまった学生さんを紹介されたことがあります。自治体とキャリア支援団体が開く就職セミナーに彼を招待したところ、失業者がほとんどを占める参加者の前で「大学の同期で自分だけが無職だ」と自慢気に語る彼。
セミナーには多くの失業者が参加していたので、彼らをバカにするとても失礼な発言でした。本人は面白いと思っているようですが、呆れ果てましたね。雇用問題に取り組んでいるNPOや自治体職員の方が聞いたらとても悲しむと思います。
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◆ケース3:大学生が堂々と「オレは無職、ニート」 Hさん(23才・女性)
大学時代、留年していた先輩はバイトもせず学費も親に払ってもらう人でした。もちろん、それ自体は問題ないと思います。
ただ、単位を取り終わってバイトもしてない自分のことを「オレは無職」「学生ニート」と言っているのは違うと思いました。学生とニートは定義上矛盾するので大噓だし、安全な立場から自虐ネタを口にするところにとにかく「小物感」を覚えましたね。
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◆ケース4:「無職」はフリーランスが口にする!? Sさん(29才・男性)
たまたま知り合った単なるフリーランスのエンジニアから「無職です」と自己紹介されたことがあります。
「確定申告してるんですよね?」と聞いたところ、「はい」と頷く。つまり収入があります。何が面白いのかわかりませんが、会社員でないことだけをもって自らを「無職」と語るフリーランスにはよく会います。
おそらく、逆張りでセルフブランディングをしているのだと思いますが、正直ムカつくだけなのでやめたほうがよいと思います。
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◆逆張りセルフブランディングの終焉
一見、ネガティブな状況を自虐的に語ることにより、ほかの人と差別化を図る「逆張りセルフブランディング」。
しかしながら、回答者の声に耳を傾けると、こうした逆張りセルフブランディングも終焉を迎え始めているようです。自分がどのように見られたいかの意図が周囲にバレることほど恥ずかしいことはありません。
実態を伴わない無職発言は、時に誰かを傷つけることも覚えておくべきかもしれません。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年7月24日~2015年7月27日
対象:全国20代~60代 男女1345名