海外でも大人気!日本の特撮ヒーローの活躍と影響力の考察【出口博之のロック特撮】
こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。
同じ事務所に所属しているCROSS GENE(クロスジーン)のSHIN(シン)さんが「手裏剣戦隊ニンニンジャー」にゲスト出演するということで、特撮について対談をさせて頂きました。
SHINさんは韓国に住みながらも「自分の人格はすべて特撮が作った」、と語るくらい日本の特撮が大好きな青年です。
ふと、フランス人の知人と一緒に飲んだとき「僕が日本にくるきっかけは日本の特撮を見たからなんだ。特撮は僕のすべてだよ」と、SHINさんと同様のことを話していたのを思い出しました。
そこで今回は、日本の特撮ヒーローはなぜ海外でも熱狂的に受け入れられるのか、考えてみたいと思います。
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■海外のヒーローと日本のヒーローの違いとは
海外のヒーローの代表格といえば、スーパーマンやスパイダーマンなどを輩出した「マーヴェル・コミック」「DCコミック」の2大アメコミ(アメリカンコミックス)から登場したヒーローたち。
一方、日本ではウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊が代表的なヒーローです。両者にはどのような違いがあるのか。例外はありますが、まずひとつは「変装」と「変身」の違い。
アメコミヒーローは超人的な能力を持ちながらも、その正体を隠すために「変装」します。日本のヒーローは超人的な能力を得るために「変身」します(一部、変身前から超人的な能力を有するものもあります)。
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■作品が映像化されるプロセス
アメコミヒーローは本での連載があった上で映像化されるのに対し、日本では映像ありき、テレビの企画として生まれる場合がほとんどです。
誌面では様々な設定やストーリーの幅を持たせやすい反面、映像化が難しい場合もあるアメコミヒーロー。その逆が、日本のヒーローを取り巻く環境といえます。
最後はヒーローの数です。ヒーローのほとんどは単独行動ですが、スーパー戦隊では完全にチーム制をとっています。
ヒーローが一同に集結する形態はマーヴェルの「アベンジャー」やDCコミックの「ジャスティス・リーグ」がありますが、この構造はあくまで個人で活躍するヒーローの集まりであり、「共闘」という表現が近いです。
スーパー戦隊も個人の集まりですが、物語や作品の世界観において、アメコミヒーローに比べて強固に組織化されている印象を受けます。
画像出典:Amazon
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■海を越えた特撮ヒーローの活躍と影響力
日本の特撮が海外で熱狂的に受け入れられている要因のひとつに、前述した「チーム制のヒーロー」という部分があります。 スーパー戦隊の特徴の1つで「変身後のメンバーそれぞれの名乗り」があります。
現行作品の手裏剣戦隊ニンニンジャーだと「あばれてアッパレ! アカニンジャー」など、後にそれぞれのメンバーが続く自己紹介的なもの。
名乗りの由来は歌舞伎からきているので、海外の方からすると「なんですぐ戦わないの?」と疑問に思うでしょう。
しかし、弱点を仲間同士で補い合い、力を合わせて戦うヒーロー像は、海外で放送されるとたちまち新鮮な印象を与え、アメリカをはじめ世界80カ国で展開されました。
各国の子供たちが、日本の子供たちと同様の熱狂と憧れをもって受け入れたのです。 日本の特撮に影響を受けた子供たちがクリエイターや役者、ミュージシャンになり、様々な分野で才能を発揮しています。
近年だと、2013年に公開されたSF映画「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督は、日本の特撮からの影響を自身の作品に投影させています。
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■日本の特撮に影響を受け、音楽シーンで活躍するSHINさん
CROSS GENEのSHINさんも、平成仮面ライダーシリーズと、スーパー戦隊シリーズから多大な影響を受けた一人です。
彼は子供の頃から韓国で日本の特撮のビデオを見て育ち、「僕は変身できないけど、音楽で誰かのヒーローになりたい」と、話してくれました。
憧れだったスーパー戦隊シリーズへの出演については、体重を7キロも落として役作りに励んだことを明かしてくれました。
これは、日本の特撮ヒーローが海外でも日本と変わらぬ活躍と影響力を与え続けている証だと思います。SHINさんも私たちと同じく、特撮ヒーローに憧れ、その背中を見て育った青年なのです。
日本原産の特撮は、世界の共通言語になりつつあるのです。CROSS GENEのSHINさんが出演する「手裏剣戦隊ニンニンジャー」は、8月16日(日)の回になります。私たちと同じ特撮ファンが、実際にその世界に飛び込む勇姿をテレビの前で応援しましょう!
(文/MONOBRIGHT・出口博之)